真璃

『プレゼント』
喜んでもらえる
プレゼント!
お菓子を作って、
お気に入りのカードに
メッセージを添えて──
なんていうのもいいけれど。
やっぱりもうひとつ、
今年のバレンタインはいつにもまして
特別だと思えるような
一味違う工夫ができたら
うれしいと思うの──
小さい子たちは
自分の得意な
おうたを覚えたり
似顔絵を描いたりするのよ。
それはいいわね──
マリーはまだ
決めかねているけれど、
かわいい妹たちが
がんばっている横で、
子守をしていると
自分もなんだか
そのアイデアをいただいてしまいたくなるのよね。
だって、
楽しそうだし
いつも愛している特別な気持ちを伝えられそう。
何より、
おこづかいもあんまりなくて
器用な技もそんなにない
小さい子には──
気持ちを込めることしかできないもの!
お誕生日の肩たたき券をあげるときも
手作りのイラスト付き。
それなら、愛の告白の
バレンタインなら
もっと手間をかけた
似顔絵や
大好きなフェルゼンの好きなものや──
いつも一緒にいてくれてありがとうの気持ちを
いっぱい描いてしまいたくなるのが
自然なのは間違いないものね!
ひとつ難点としては──
これなら喜んでもらえると自信をもって渡せる
上手なイラストが、
なかなか描けないことだけね!
筆が自分に合わないのかしら──
練習が足りないのかな?
特別な日は、もうすぐやってくる。
それまでに──恋するマリーはどれだけの準備ができて、
その日はどれだけ愛する人を喜ばせられるのかしら。
もう、早くも──どきどきするわね!