虹子

『あらゆるごあいさつ』
あいさつは
いいものだ!
みんながえがおになって、
おおきなこえが
みぎから
ひだりから
きこえないことはない。
このせかいに
あいさつがあるから
にじこも
かぞくも
おおよろこびだ。
うれしくなって
とびはねるくらいだ。
おはよう!
こんにちは!
こんばんは!
それは──
うまれてから
すぐのときから
きょうまでのあいだ
にじこがおぼえたごあいさつ。
てをふって
りょうてをひろげて
ひとさしゆびを
のばして──
てをつないで、
しっているものも
まだしらないものも
そして、これからうまれるごあいさつのすべてに
もうすぐにじこはであうのだ。
おぼえたすべての
ごあいさつを──
かぞくのみんなに、
まだなにもしらないあーちゃんに、
だいすきなおにいちゃんに
なにもかもぜんぶ
してあげるのだ。
きょうもそうする。
ずっとそうする。
あいさつは
いいものだからなの──
きょうのにじこは
あいさつにじこ。
てをふっているのか?
りょうてをひろげているのか?
あるひとつぜんおもいついて
とびかかっていくのだろうか──?
それをしるものは
まだ、だれもいないそうだ。
おにいちゃんならしっているかな?
きいてみよう、
あいさつをしよう、
そうして
おにいちゃんに
あいにいこう──