立夏

『怪談』
こ、こわいっ!
もぐもぐ
ぱくぱく。
今日もおうちでは
怖い話が大流行。
だから、一人でいるのが
苦手になって
自然と人が多いところへ
みんなが集まるの。
そういうところって
大きいテーブルがあったりして
だいたい、誰かが
おやつや飲み物を運んできてたり
するでしょう──?
あわわ、たいへんだー。
お菓子を口へと運ぶ手が止まらない──
食べた分は仕方がない、
あまり太らないように
運動するにしても
外はだいぶ暑い日になった──
怖い話のせいで
立夏にみるみる
お肉がついてしまう。
──なんかおかしくない?
そういえば、前に聞いた話で
見たことも聞いたこともない不思議な国の食べ物を
口にしたために
食べるのが止まらなくなってしまうとか──
また、山奥の森には
人を食べるおばけが住んでいるとか──
そういうのは知ってるけど
明るくまぶしい灼熱の季節、
みんなとわいわい過ごすのが
楽しいばっかりに
ついつい食べ過ぎて──
では、話が盛り上がらないよー!
ぱくぱく。
あっ!
オニーチャン、しってる?
一人になることが
多い場所で──
なんだか暗くて
なんかが潜んでいそう!
そんな場所へ
誰でも行かなければならない時があるんだって。
汗をかくから
水分を取らないわけにはいかないし──
ど、どうしよう!
緊急事態が
近づいてきている気がする!
こ──このままでは──
あまり中学生のお姉さんとして
格好がつかない話になってしまう!
もともとあまりお手本にならなくて
格好がついていないのは置いておくとして
こういうとき──大人は、誰か信頼できる人に
助けを求めるのがいいって聞くよ。
というわけで、
どどど、どうしようオニーチャン!
どうしたらいいと思う!?