青空

『おそら』
ちらっ──
……
そわそわ。
まどのそとは
はれ──
それって、ほんとう?
そら、しってる。
おそらはすぐに
なきだすの。
ぽつぽつ──
わんわんって。
さみしいの?
ねむいの?
そらがよろこんで
はしっていると
あたまにぽつり。
おにいちゃんと
てをつないで
おうちにはいるよ。
そんなー。
もっと、おそとではしりたいの。
そらがうっかり
ちょうしにのって
すっころんでないているところに
あめがぽつり。
はるかにだっこされて
おうちにはいるの。
そら、もっともっと
おそとでころぶ!
はしって
あそんでも
いつもいつもとちゅうで
あめがふるからだめなのよ。
きょうは
はれている──?
この、
いいおてんきはもしや?
みんながいう
あつくて
ひかって
ぎらぎらする
なつがきた!
たぶんそう!
うーん、でも
そら、まだちっちゃいから
ほんとうになつがきたのか
わからないかもしれないな。
おにいちゃんに
きいてみよう!
なつがきた?
ゆうなにも
きいてみよう!
なつがきた?
あめこんじゃない?
おそとではしって
あそんで
ころんでいいの!?
ひかって
ぎらぎらするの!?
みんな
みんなが──
なつがきた、
たいへんだって
ぼうしをかぶりだし
あせをかいてさわいでいる。
これはきっと
ほんとうに
なつがきたな!
わーい!
わあーい!
おにわをはしろうよ。
あめなんて
もう、しらないよ。
そんなもの──
どこかいっちゃった。
さあ、ぼうしをかぶれ、
そら!
おにわをはしれ、
そら!
いいおてんきのおそらがひろがった。
おにわをかけるこどもは、もうどこまでもいけるよ。
じゃまするものはもうなにもない。