虹子

『まっすぐ!』
おにいちゃんが
どれだけとおくにいても、
すぐにみつけて
おいついて
つかまえる!
にじちゃんは
おおきくそだつとちゅう──
こんなにちいさい
にさいのこどもが、
いつのまにか
ぐんぐんのびて
まもなく、おとなになるという。
そのとき
にじこは──
おどっているのか?
うたっているのか?
まだ、だれもしらないという。
よーし!
それなら
おおきなにじこは
たくましくて
あこがれの
おにいちゃんみたいになってみよう!
にじこのいちばんだいすきな
やさしいおにいちゃん。
てをはなさないで
いつもつかんでいて、
いちばんちかくでよくみて
いなくては。
すきな
たべものも──
すきなおどりも、すきなあそびも
おなじがいいな。
あるひ、にじこはいう。
おとなになったよ!
つぎに、にじこはいう。
おにいちゃんみたいに
かっこよく
やさしくなったよ!
そんなにじこが
あらわれたら──
なんていいことだろう。
だから、このてをはなさないの。
もし、みうしなったら
いちばんまっすぐ
やくたどりつく
みちのりで──
にじちゃんがおうちをかけて
まちをゆく。
きっと
ものすごいはやさでゆくんだな。
にじこ、すぐに
おおきくなるこどもだからな。
あるひ、にじこはだいすきなおにいちゃんに
だーいすき!
だーいすき!
そうつたえているよ。
おにいちゃんがいたから
おおきくなったよって。
あしたかな?
そのつぎくらいかな?
はやくおおきくなってね、にじこちゃん。
ああ、おにいちゃんがおどろくかおが
めにうかぶようだ。
どうしてそんなに
すてきになったのかな?
にじこちゃん?
それはね──
おにいちゃんのいもうとの
ちいさなにさいのおんなのこだったからなの。