小雨

『はじまる』
夜は暗く
怖くて寒くて──
みんなで暖かく過ごしていた冬休みも終わります。
この年末年始もやっぱり、
あわてたり
困ったり
つまづいたりで
憧れのお姉ちゃんたちみたいになれなかった小雨ですが、
宿題は済ませたし、
たくさん食べて
元気いっぱいです──
もう少し続けていたい遊びや
読むのに時間がかかりそうな本や、
年始に食べすぎたからって
一緒に体を動かす習慣は
続けられるかどうかわからないのが残念ですけど、
それでもやっぱり
学校は始まるんだもの。
しっかりしなくちゃ。
こんな楽しい時間が
終わらないでくれたらいいのにと
思うことも多かった冬休みだけど、
時間があるときに予習をして
学校が始まってすぐの小テストで
いい点を取って帰って来るって言ってる子や、
友達と一緒に遊んだことを
みんなに教えてあげたい子や──
それに、たくさん食べて遊んで
背丈も大きくなったのを
早くお友達に自慢したいって子もいるの。
小雨が一人で
寂しがってめそめそしている間に、
みんなはどんどん先へ進んでいって、
小雨の助けてあげられることなんて何にもなくなり、
置いていかれてしまうようです。
小雨だって、新しい年になったのをきっかけに
少しだけでも
前に進めたらいいのに──
あ!
そういえばお兄ちゃんも
背が大きくなったような気がします。
ますます頼れるようになった
みんなのお兄ちゃん。
小雨だって、お兄ちゃんに頼ってぶら下がってばかりでは
いけないです──
あ──小雨の身長は大きくなっていないみたい。
みんなで測ったんだけど──
がんばりたい、と思ったところで
すぐに大きくなったり出来ないみたい。
今年はみんなにとって、どんな年になるのだろう。
小雨に、何ができるようになる年なのだろう。
お兄ちゃん、今年も
いっぱい頼ってしまって
がっかりさせてしまって、
迷惑をたくさんかけてしまうのだと思うけど──
なるべくうつむかないで、
ひとつでもいいから、できることを探していきたいと
少しだけ──思っているんです。
どうか、今年もよろしくお願いします。
新しい年の小雨は──これからいろいろはじめていきます。