『美しい日』
春らしくさわやかで
空を見上げるだけで
心地よく──
こんな日がずっと続いてほしいと
誰もが願わずにはいられない
穏やかで気持ちのいい季節。
こんな日に思いっきりごろごろして
好きなおやつと共に
のんびり過ごすことを
忘れたりしたら──
あまりにも春の暖かさに対し
申し訳ないのではないか?
そう私は考えるのだが
世の中にはいろんな意見があって
こういう日にてきぱき掃除をしないのは
もったいないと
なぜか寝ている私まで追い立てようとする。
日なたの心地よさを知りながらも自分から離れようとするとは
なんという強固な意志を
私の家族は持っていることだろう。
英雄的ともいえる悲壮さまでも感じる──
しかもそれが平凡な過ごし方と主張するのだから
人の心は誰にも覗き込めぬ複雑さだ。
宇宙を思わせる広がりだ──
考えてみれば、氷柱なども
偏食なところがあって
甘いものをすすめてもそんなにたくさんは食べてくれない。
そんなに難しいことばかりで大変ではないかと思うのだが、
好きなものと苦手なものがはっきりしているのは
単純明快でわかりやすい日々なのかもしれない。
私の好きな
どら焼きはそんなに多くなくても
氷柱の世界には好きなものがあって──
無限を感じさせる。
であるならば
掃除をしないではいられない海晴姉と
昼寝を無上のものとする私では
どちらがより得るものが多く
暖かな春の歓喜を知ると言えるのか
簡単ではない話と言える──
難しいことを考えていたら
もうすぐ休憩時間になることを思い出した。
お茶請けとしては
良い日を過ごすのに悪くない話題ではないかと思う──