『始動』
長く退屈で
時間が止まったように
のんびりしすぎたお正月が過ぎ
冬休みも昨日で終わり。
あーちゃんがどんなにかわいい声で
歌おうとも
人々は学校へ向かい
日常へ戻っていくのよ。
ほんの少しの寒さが
行く手を阻もうとも
私たちはゆく。
まだ小学生だもの。
というわけで新学期が始まったのはいいけど
どうも寒さに震えることになっちゃって
晴れ晴れしくとはいかないというか
家を出る時もぎりぎりまで消えたストーブの前の
かすかに暖かさが残る空気の中に残り
あるいはあわててもう一枚重ね着を持ち出してきたりで
ぐだぐだというかもそもそというか
なんなのかしらね──
新年最初の学校というのは。
おまけに明日は
南から高気圧が張り出して
気温が上がるわ
風が吹くわ
嵐の予報もあって
あわただしいったらありゃしない。
新年って、こういうものだっけ?
もうお正月って気分でもないと
強引に吹き飛ばす嵐ということに?
知らないけど。
どうも風邪をひきそうなのか雨に濡れそうなのか
落ち着かないはじまりの頃ね。
ストーブの前にあるソファや
その前あたりがふさがれないうちに
早めに帰ってくるほうが
安心できていいかもしれないわ。
私が先にいるかもしれないけど──
気にしないでほうっておいてね。