小雨

『予定は立てた?』
もうまもなく私の家族と
日本中のみんなのところへやってくる
10連休。
といってもママはお仕事で
この時期こそ大事という人もたくさんいるそうで
大変だと思います。
小雨も10連休の間に少しでもママを助けることが
できるといいな──
今年は連休の予定も特になく
もしかしたらみんなでお買い物に行くくらいかな?
と。
そう説明すると
のんびり過ごせそうな気はするんだけど
実は問題が少しあって──
連休の間に読みたいと思っていた
重たい立派な本が
図書館にいくつか
並んでいたの。
こんな小雨の胸にも時々
ちょっぴりだけ
野望がめらめら燃え上がるときもあり、
よし!
あの難しい本を読みきるのを
目標にしてみようかな、
みたいなことを
一人で考えては
どきどきしていたのも確かなんです──
あまり人に言うのも恥ずかしい小さな望みだったの。
でもやっぱり
相談はするべきですね──
図書館から借りてきた本を手にした
麗ちゃんの前で
ふと自分の気持ちをつぶやいて
少し恥ずかしくなったときに──
麗ちゃんはやさしく
誰かにとられる前に早く借りておかないとね!
って言ってくれたの。
そう──
小雨は──
とても大事な本を誰かが持っていってしまうなんて
考えたこともなかったから
言われてあわてて駆けつけてみると
すでにお目当ての本は
貸し出し中だったの。
いきなり始まる前から暗雲たちこめる連休だなんて
考えたらいけないけれど。
今のところ予定はぽっかり
有意義に過ごせるかどうか心配です。
映画でも借りてきたらって薦めてもらったりもしたけど
小雨でも安心して見られるやさしいものは
見つかるでしょうか?
ぼんやり毎日を過ごす小雨を見ても
お兄ちゃんは笑わないでね……