さくら

『あめをどうぞ』
おつかれのあなたに
あめはいかがですか。
せきがでるあなたに
あめはどうですか。
みかんのあじ
あめがあるの。
なめると
すーっとして
ちょっぴり
あまい。
なめるととっても
のどのとおりがよくなって
いいこえがでるあめだよ。
まほうのあめ
ふしぎなあめ
もうすこしあまかったら
こどもがよろこぶあめ──
からいあめよりもいいから
さくらがもらったの。
これをなめて
よくおはなしが
たくさんできるように。
ことしのことを
みんなとおはなししようねと
さくらがもらい
さくらがよろこび
さくらがくばる
みかんのあめ。
ポケットのなかも
おくちのなかも
あめがぎっしり。
のどにとてもよい
かんきつるいの
あめが……
あれっ!?
おくちのなかのあめがない!?
のどによいあめがない!
うふふっ。
そうしたら
ポケットにまだまだ
どっさり。
みんなののどが
いがらっぽくて
せきがきこえたら
それは、さくらをよぶあいことば。
どこにいても
さくらのポケットから
あめをとどけにゆく。
はいっ!
でもね
おふろであったまったり
あたまのうえであわをそだてているときは
さくらのどこにも
あめがない……
おふろじゃないときによんでね!
おふろはみんなとはいるといいよ。
シャンプーのあわあわが
いつもよりもおおきい
みんなのおふろ。
あったまって
のどあめはいらないの。