吹雪

ジェットストリーム
駆け巡る嵐のように
年末にはめまぐるしい忙しさが訪れ
年の終わりと共に過ぎ去っていくものだと
私の経験はそう言っています。
クリスマスの後に話し合った
みんなが迎えている本来の予定では
28日に大掃除は終わり、
29日と30日を使ってゆっくりおせちとお正月の準備を進め、
31日にはおそばを作る程度の用事を残すのみと
そのような内容でしたが
もちろん毎年繰り返している通り
大掃除を予定通りに終えるという希望は
とうとう叶いませんでした。
おそらく──
早めの予定だけ立てておくことに意味があり
それに従って行動するのは二の次なのだと思います。
私が幼稚園の頃に
ほこりの立つ場所から遠ざけられ守られている立場から
初めて大掃除に参加し
スケジュールを聞いたとき
それは可能なのであろうかと
真剣に疑問を持ったあの時の記憶が──
家族と年を越す頃に
繰り返し再生される状態が
これからも続いていくのでしょう。
何年か経ち
厳密なルールでないことを覚え
適当でかまわない範囲を学びながら
今年も私の部屋は
星花姉と夕凪姉の荷物であふれています。
私の机の周りに頼まれて置いてある二人の姉の本を
読んでいる時間が存在することも知りました。
見つかると怒られるため
掃除で忙しそうにしている隙を狙うのがいいようです。
私の荷物が二人の姉の近くにはみ出すことは少なく
お菓子を持ち込んできても
汚れる心配が不要であるのも
手が空く理由の一つですが
夕凪姉の持ち込むおやつは
なぜか大掃除の最中であることを考慮しない
まわりを汚しやすいはちみつやフルーツソースなどが多いのです。
リクエストを聞く春風姉たちは
大掃除のおやつに向かないことがわかっているのになぜ……?
現在、私たちの部屋は甘い匂いが漂い
せわしない気分を緩和する環境にあります。
キミも時間に余裕ができたら
大掃除で数多くの本が姿を見せたこの部屋に
何かお気に入りが探してみても良いかもしれません。