吹雪

『オリエンタル』
収穫の秋は
感謝を捧げる秋でもあるそうです。
春風姉と蛍姉、
いつも食事をありがとうございます。
手伝えることは少ないですが可能な努力はしてみるつもりです。
よく注意を受ける好き嫌いの克服は、
長期的に見た課題にしたいと考えています。
キミもいつも同じ場所で食事をしてくれてありがとうございます。
尽きることない謎に包まれる研究対象の人から
数多くの情報を得られる貴重な時間となっています。
という話をした後ですが
別に私が感謝するのではなく
この時期はお祭りに参加する人が
収穫を神様に感謝するのだそうです。
先に電撃G'sマガジン11月号を読んだ夕凪姉からの断片的な情報では
正確な予測は難しかったようです。
渡辺曜さんが参加しているお祭りはたいへん賑やかになりそうなもので
我が家の子供たちも参加できたら喜びそうですが
このあたりでは夏の盆踊り以降、特に何もありません。
ハロウィンまでは何もなさそうです。
比較的大勢の人が集まるのは幼稚園の運動会となります。
もちろん参加は幼稚園に通う子供の関係者に限られる行事です。
お祭りについては観月と話したことがある程度で
情報量が充分でないため、推測がすべて正確であるとは限りませんが。
春に行われるお祭りは豊穣祈願が目立つようで
早咲きの梅が開く頃の気の早い時期となれば
豊作を出産に例えて演じてみせるなどかなり大げさなものもあるとの話でした。
少し無理があるのではないかと心配ですが
芽吹きの季節を誕生の意味もあると考えれば……うーん……
夏のお祭りは戻ってくる死者の慰霊、鎮魂の儀式となるお盆の時期でもあり
穢れを清め、禊を行い忌みを遠ざけるものが多くなるようです。
なぜ霊魂にまつわる時期が夏であるのかはわかりません。
海外から取り入れた死者のお祭りであるハロウィンは10月です。
もしかしたら、夏場は気温や湿度の関係で食材が痛みやすいせいかもしれません。
今年も悪くなった食材を発見したときの悲鳴をだいぶ聞いた記憶があります。
それとも禊に際して水を浴びる必要があって
この季節を選んだという合理的な理由でしょうか。
しかしお祭りがあまり合理的なものであるとは考えにくく
私たちも盆踊りのために今年も事前にかなりの練習をして挑みましたが
結局、当日はご近所の方から褒めてもらえたものの
それから盆踊りを披露する機会はありません。
せっかく練習をしても
また来年。
どうも効率を意識して行事を設定しているわけではなさそうです。
もし私だったらと考えたことはありますが
たぶん思いつかないことだから
祖先の意思を大事にして守っていくべきこともあるのでしょう。
ただ、近所の盆踊り大会は、地元の盆踊り保存会が主催しているために
霊魂を慰める目的は全くないと思います。
それでも人が楽しんで、大事に思うというならば
本来の目的よりも
人間が集まり、行うものだからということが
お祭りや行事にとっては大事なことで
盆踊りのあの場所で人を楽しませていた理由なのだろうか……
家族の表情を思い出しながら考えています。
だとすると、あまり積極的になれないハロウィンも
今後の楽しみとなる秘密が隠されている可能性もあり
そういう楽しみをまた別の形のお祭りにして
穂乃果さんとことりさんが参加した学園祭も行われているのかもしれない。
次回につながるキーワードは
『ご主人様にお願い』であるようです。
私はご主人様を持ったことも、ご主人様の立場となったこともないのでわかりません。
おそらく様々な謎と、それを解き明かしたい知的好奇心と、
効率や合理性すらも近づけない高揚感を集め
時にはここから私たちの家族も巻き込んで
人々は今日もまた
お祭りを続けているようです。