立夏

『やねよりたかい』
スプリング!
Hot spring

英語で温泉のことだと
きんいろモザイクのカレンちゃんとアリスちゃんがいってた!
きのうのきららMAXで。
あばっばのあれ。
英語は
しらなかったー。
チャオ
とか
オーマイガッ
いってるけど
英語の成績は普通なの。
ひいきめにみれば
普通の範囲内?
つまり春は
なんかこう
芽吹いてくる季節だったり
湧き出る泉とか
いろいろあふれ出す表現ということなのではないだろうか?
すぷりんぐ。
あらわれたり
むくむくそだったり
つぎつぎと生まれたり
花壇の雑草とかも
たくましいよ。
根っこもかなーり深くまで根を張る。
そうか!
これほどに果てしない底力に支えられているから
草花は育つんだな。
海でいっぱいだから
温泉も出てくるんだな。
そりゃ出てくるわ!
っていうくらい世界地図は海ばっかりだからな!
だから、春になって生まれだすものだって
長い冬の間は眠っていたみたいでも
あんがい地道におなかにお肉をたくわえたりしていたのかもしれない。
立夏のまわりではじまるうぶごえ。
生まれたのは
枝毛だとか
穴の開いた靴下だとか
いくら眠ってもあくびがでるすいみん不足だとか
新しいお気に入りの枕だとか
大空をうねって泳ぐたくましいこいのぼりなどなど。
わがやのたった一人の男の子は
もう大きなお兄ちゃん。
力を込めた腕に
立夏が全体重でぶら下がっても大丈夫。
ときどきよろけるけど
たいしたことはない。
なぜなら男の子なのだ。
みんなが待っていたお兄ちゃん。
誰よりも強くて
男らしい。
いちばん頼れる
一生のパートナーだ。
しかし、指輪の交換はまだ早いな。
海晴お姉ちゃんが決めた約束は、大学を出てから。
大学かあ……がんばろう!
もう、子供じゃないからちょっとお風呂あがりに裸でいたからって
そんなにすぐには風邪を引かない。
好き嫌いが多くて立派な体ができるかお姉さんに心配かけたりしない。
だけど、それでも
こんなに大きくなっても
これからも元気でたくましく
少しわんぱくで無鉄砲で
でも、男らしくすくすくと育ってほしい願いはいつまでも変わらない。
妹だって青く晴れた空を見上げて
おうちのこいのぼりが風を受けて生き生きと揺れていたら
ずっとお兄ちゃんが私たちのためにここにいてくれるような気がして
うれしくなる。
とびはねたくなったりするよ。
腕を上げて
天まで届くこいのぼりをおいかけたくて
いっぱいの思いを込めたこいのぼりが元気だと私たちのお兄ちゃんに見せてあげたい、
大声をあげるよ。
もうまもなく五月を迎える淡い色の青。
高く高く泳ぐこいのぼりがいつものみんなの景色に生まれたのは
愛情とか幸せとかいいお天気とかあーちゃんの泣き声とかお気に入りの枕とか
いろんなものが深く根っこを伸ばしていっぱい詰まっているからなんだよ。