さくら

『もう何も!』
さくらのこわいもの
なーんだ!
お兄ちゃん、しってますか?
おばけ?
うふふ……
おばけまつりは
かぼちゃおまつり。
もうおわったでしょう!
へんなお兄ちゃん。
おばけのかっこうして
さくらもがんばっておいはらう
トリックオアトリート!
おかしちょうだい!
よくできたから
おばけはあんまり
あのよからでてこないでおわったの。
さくら、がんばっちゃった。
あせかいちゃった。
つかれたときは、あまいもの。
よくできてるおまつりです!
みぞれおねえちゃんも言ってた。
おかしはあまいし
かぼちゃはあまいし
いいひだな!
そんないいひはおわってしまった。
おばけがうじゃうじゃあらわれないで
よかったー!
わがやはおばけだらけだったからだまされたの。
もうここには入れないやーって
どこかにとんでいってしまったの。
まぬけなおばけさん!
このおうちのおかしは
おうちのみんなのものでしたー!
めでたしめでたし。
ふゆになって
ちょっとくらいけど
はやくかえればあんしんです!
おでかけしてもおそくならない。
さむいし
くらいもの。
もしものときはおむかえにいくからおでんわね。
つららおねえちゃんが
みんなにおしえてあげてるの。
もしものときが
なるべくないようにね!
ちゅういしているの……
お兄ちゃんも
くらいから、よりみちしないでかえってくるんですよ。
みんなやくそくしたんだから
お兄ちゃんもやくそくするの!
おねがいね?
ごようがあっておそとにでても
みんなではやくかえるから
くらいのも、あんまりこわくありません。
いいことだよね。
はやくかえる!
ふゆはさむいけど、すてきね?
だからさくらは
あとほかには……
ようちえんの……
あばれんぼうのおとこのこたちが
こわいこわい
いやだようって
にげていたけれど
おとこのこだって
お兄ちゃんはやさしいの。
さくらがないていても
おうちにかえって
お兄ちゃんに
こんなことがあった
あんなことがあった
ぜんぶきいてもらえるでしょ?
そしたら──
おはなしできるのがすきだから
あんまりわるいことでもなかったような
へんなきもちもしてくるでしょ?
たのしいひだったなー
とかそんな!
おもうでしょ?
さくらは、お兄ちゃんのひざのうえにいるとおもいます。
あーよかった
いろいろあったら
おはなしができてよかったな、
あったかいな。
だからさくらは
もうこわいものはないのでした!
あしたもようちえんだ
お兄ちゃんにおみやげばなしをもってかえる!
ないたことと
うたったことと
おべんとうのことを
ぜんぶお兄ちゃんのおひざのうえまで
もってかえるさくらです!
おぼえること
いがいといっぱい入る!
わすれることもいっぱいだけど──
ゆるしてね?
うれしいうれしい
お兄ちゃんがいてくれてうれしいな、
にこにこわらってたら
やっぱりうれしいはるかおねえちゃんが
はるか──
こんなにしあわせでいいのかしら。
おうじさまのやさしさがこわい──
だって。
やさしいのに!?
こわいのね?
そんなー……
お兄ちゃんがこわかったら
さくらはもうどこのおうちにかえって
だれとたのしくしたらいいのかわからない!
お兄ちゃんはこわくないよね?
みんなをまもってくれます!
はるかおねえちゃん
きっと、かんちがいをしているの。
何とまちがえているの?
お兄ちゃんにばけたおばけなんて
いません
どこにもいません
たぶん
いない……
でしょ?
さくらはいちおう
お兄ちゃんをゆびでつっついて
おなかをぷにぷにして
しっかりさくらのこと
だっこしてくれるお兄ちゃんだーって
すぐわかるから
いがいと
あたまがまわるかも?
お兄ちゃんなら
さくらがとんでいってもへいき!
ぴょーん!
はねすぎた?
だいじょうぶ!
あーちゃんがとんでいっても
はいはいしてる子をだきあげる
でっかいお兄ちゃん。
さくらがだきつけば
すぐわかります。
たぶんわかるよ?
いっぱつかくにん
せかいいちあたまのいいしらべかた
しってます。
はるかおねえちゃんにもおしえてあげよ!