蛍

『昼と夜と雨とくもり』
お相撲の十五日間が終わり
今週のちびまる子ちゃんが終わって
日曜日は、仕込みに時間をかけた晩御飯を迎えて
クライマックスとなっても
明日はまだお休み。
この機会に
何かしておくことあったような？
それとも別に
お休みでなくてもできることだったかな？
忘れている自分なりの宿題がありそうだけど
焦っても思い出せないし
落ち着いて一息ついて
湯気の立つカップで健康な犬みたいに鼻の頭がしめって
ゆったりした気分でいたところで
思い出せないものが何なのか思い出せないし
頭が良くて情報に敏感な霙お姉ちゃんや吹雪ちゃんみたいに
図書館で最近の本を探してきて
読んでも読んでもまだ読む時間がある三連休は
たまに気分転換にちいちゃい子たちとまくらチャンバラで遊んでも平気だぞ、
と思っていたら意外と白熱して
もうこんな時間！
みたいに慌てたりするほどには
これといってしておくこともなんにもないのが
さみしい──
とか言いつつ、さみしいふりは見栄なので
別にさみしいわけでもなく
することもなく過ごしていたら今。
どうせぱっとした過ごし方もしないなら、図書館についていって
本を探してきても良かったのに
ぐずぐず態度を決めかねて
とりあえずお片付けや
新聞の広告のチェックや
冷蔵庫の中身をチェックしたり
お皿を並べ替えては
春のパン祭りのフランダースの犬をぼーっとながめて楽しみつつ
こんな時間なので
うーん
あんまりこう、しまったー的な感覚がなくて
せっかくの休日が！
いやーん──
って、あんまりならない……
でもあんなふうに叫んだり慌てたりするのに
憧れていたのか？　というと
そうでもないですよね？
なんだろう。
毎日を目標があって、一生懸命な人の真似を
ちょっとしてみたいのかな。
それとも、これは
ちょっと家事に追われてやや忙しいくらいのいつもの休日を送って
ほーっと一仕事した！　って安心したり
変わり映えのない生活を
このまま続けてしまうのか？
そんな危機感が一瞬
あんまり忙しくするのも焦るのも苦手な蛍の心にすら
そーっと忍び寄ってきて
後ろからそっと
肩に冷たい手をかけて
牙をむきだし──
がおーっ！
なんちゃって。
びっくりしなかった？
そっかあ……
ホタ、怖がらせるのも上手じゃないんです……
いたずら心だけはあるのにね？
一緒に楽しんでほしい気持ちがいっぱい！
詰まっている風船なのにね。
貴重な青春のお休み
このままでいいのかな？
もっとできることがあるのかもしれないな。
でも、あれもこれもしたいことがあったって
蛍は何が今すぐ一番しておきたいのかよくわからなくて
目がくるくる回ってしまいそう。
だからもっと簡単で
悩みはそれはそれとして
大事なものがいつもわかるよう
とってもシンプルでいられますように。
一度、お財布を忘れたとか……
帰り道に猫にお魚を取られたとか……
漫画じゃないんだから！
サザエさんか！
といったあれこれはたいして気にすることではなく。
猫はふだん餌付けしている子だから蛍の自業自得感もありますし。
それはあげられないんだよーって言ってるのに強引だし
いけないにゃんこもいるものですね！
お兄ちゃんも元気な男の子だけど
あんまり蛍に強引にしないでね……
たまにね？
いざというときだけでお願いします。
おうちのちびっこたちや
野良の三角の耳のちびっこたちに振り回されつつ
忙しいようでまったりもできた、休日のどまんなか。
ちょっと考え事をしたり
時間の余裕が少しあるかな、という時は
一人でいるより、好きな人と。
そんな気持ちが一番に浮かぶ蛍で
今日も明日もいられるみたいです。
蛍の近くにいる人は
ある日、急なお茶会のお誘いがあるかも？
あわてずに、余裕があるときを探して
ひまな子の思いつきに付き合ってあげるくらいの優しい気持ちで
どうか考え事も何もかもいったん肩から下ろす身軽さで。
生まれつきのまま、大人っぽいことは考えていない体一つで
気軽にご参加ください。