さくら

『さくらにまだはやい』
さくらはちいさい
ねんしょうさん。
こーんなにおおきな
おうちのなかでも
したからかぞえたほうが
はやいほう。
だから、かけっこもにがて。
なわとびもにがて。
雨の日はおなかいたい……
なんにもできないの。
かいらんばんを
もっていくのも
まだはやい。
かだんのすみっこを
くさむしりなら
できる──
でも、ほうちょうは
まだはやい。
かきまぜきは
できる──
ちょっと、こぼすけど。
ちっちゃいさくら──
こどものまま。
こまったな!
できないばっかりでは
いつまでたっても
おねえさんになれないの。
だから、きょうは
おてつだい。
おせんたくものを
ものほしざおの
ところまで
おとどけ。
そして
ひろげてわたす!
これはシャツ。
これはパンツ。
これは──ながそで?
おしえてわたす!
せんたくものを
みはっていて──
雨がぽつぽつ
ふってきたら
おねえちゃんを
よびにいく!
でも、ホタおねえちゃんが
はやめにとりこんじゃった。
これでさくらのできることは
ぜんぶおしまい。
あとは──はやくねて
かぜをひかないのも
だいじなおしごと。
でも──
ねむるまえに
お兄ちゃんにごほんをよんでほしいの。
ひとりでねるのもできないさくら──
う、うええん!
だって、おばけがきたらこわいもの。
そしたら、
ねかしつけは
お兄ちゃんのおしごとだから
おねがいしていいって!
やった!
やったー!
おてつだいを
たくさんできた日の──
よるのおねだり。
お兄ちゃん!
さくらのねかしつけの
おねがい──
きいてくれる?