ヒカル

『大晦日
今年も一年お疲れ様。
いろいろなことがあって
いいことも、つらかったこともたくさんあって。
それでも振り返ってみれば
懐かしい思い出ばかり、
はしゃいだ思い出ばかりが
浮かんでくるのは
私とオマエと──家族たちでまたこうして
一緒に年越しができているからなんだろう。
特によかったことは──
お前がまた一年を一緒にいてくれたこと、
また今年も、家族として一緒にいられたこと。
だからなんだか、わがままを言いたくなる日もあるみたいで
弟も時々お兄ちゃんにしてみたり
お兄ちゃんを時々弟にしてみたい子も
出てくるけど──
年に一度の初夢ならいいんじゃないかな?
私はどっちでもかまなわないんだけど
明日の夜は
どんな初夢を見るんだろう?
オマエが出てくるだろうか?
まあ──たぶん
一年の始まりなんだ。
きっといい夢を見るんだと思っていても
かまわないんじゃないかな──
みんなでがんばってきた一年が終わって
これから新しい年を迎えるときが来て。
オマエと──
あれこれ思い出しながら
話をしていてもいい
こんな時間を過ごせているなら、
なんだ、それなら
来年はいい年になるんじゃないかって
今だけは特に根拠もなく思い込んでもいい
そんな気がしてくるんだ。
今年も一年ありがとう。
来年もどうぞよろしく。
いつもの年と変わらない
こんな当たり前のあいさつを交わせるなら、
たぶん簡単じゃなかった
いろんな日々を乗り越えて迎えることができたなら
どれだけ特別で
大事な一年だろう──
もう、終わってしまう。
新しい年に
一番最初の瞬間に顔を合わせて
また──
今年もよろしく!
って言うために
一年はもうすぐ過ぎる。
ちゃんと──
私の、次のあいさつも聞いているんだぞ。
きっと伝えたいと思っているんだからな。
来年も聞いてほしいと願っているんだから。