立夏

『ハロウィンイベントは増え続ける』
きゅんきゅんする
かわいらしいお菓子。
小さい子によく似合う仮装。
ちょっと面白い小物。
廊下の隅っこから顔を出すおばけのいたずら。
あれはきっと
子供がシーツをかぶって遊んでいるに違いない。
きっとそう──
街並みも、おうちの中も
だんだん心の奥までが
お祭りを待ちわびている。
このままでは
明日にでもわくわくすることが始まらないようでは
どうなってしまうんだ?
あの楽しみなイベントが
今すぐやってこないと
期待がふくらみすぎて爆発してしまうのでは?
うーん、困ったぞ。
今はとりあえず
話を聞いてくれる人を探さなくては
いられない。
もうすぐやってくる出来事が
とっても待ち遠しくて──
そんなふうに、お話を聞いてくれる人と
一緒にその時を迎えられそうなのが
うれしいのだと──
言ってしまいたい。
ついでに、飛びついて
抱きしめてしまいたい。
ゲームの仮装イベントに参加したら
意外と一度も使ったことのないブキが強かったり
癖が強いブキはどうやって使うのかかいもく見当もつかなかったり
したことを──
とりとめもなく話してみたら
あの人は一体どんな顔をするのだろう?
おばけといっしょに過ごし
好きな人といっしょに迎える日が
立夏にももうすぐあることを──
あの人は、もうきっと知っているんだろうな──
でも話したくなるのはなんでなんだろうな──?