さくら

『よくはねる』
おつきさまがまるくなり
きれいになると
うさぎがはねる。
うさぎがはねると
こどもがよろこび
いっしょにはねる。
こどもがはねると
げんきになって
おおきくなって
いいことばっかり。
おつきさまが
ずっとまいにちきれいで、
うさぎがずっとまいにち
はねていたらいいのに!
おもちをついて
つきまではねて
それだけで
みんながよろこぶのに
どうして、いつも
うさぎはとびはねないの?
どうして、いつも
おつきさまはまんまるではないのだろう?
ふぶきちゃんは
ちきゅうがかげになるという。
みぞれちゃんは
おつきさまのチーズをかじる
ねずみがいるという。
ねずみをおいかけて
ねこもとびはねておつきさまを
めざすという。
うさぎでよろこぶこどもとおなじだ!
いろんなところに
さくらみたいなこがいるんだね──
ねこのからだがやわらかくてげんきなのは
そういうわけだったのだ──
お兄ちゃんも、なにかうれしいことがあって
とびはねて
おおきくなったの?
こんなにおおきいのだから
きっと、うれしいことがたくさんあったにちがいない!
さくらにも
おしえてください。
これからおおきくなっていきがる
この子はお兄ちゃんのいもうとなのだから
うれしいことがたくさんあるにちがいない──
いいおつきみのひをむかえるにちがいない!