『謎が謎を呼び』
人の心は
誰にもわからないもの。
気持ちが言葉にできたら
届かなくてもそれでいいと言うのに──
伝わらなければ悲しい。
大事な思いがあることをわかってほしい──
あさひが何か言いたいようだ。
別に自慢というわけでもないが20人きょうだいの次女──
相手が生まれて間もない
赤ちゃんだとしても
わからないで済むものか。
気持ちは伝わるのだ──
そうだったらいい、と思うぞ。
なになに?
うーん、
どうやらオマエのことが好きだということの他は
まだわからないが──
この澄み切った
吸い込まれるような瞳。
宿題が予定通りに片付いた子供たちに
遊んでもらえている状況。
これは──
うん!
やはり、
よく動いておなかがすいたとみて間違いない。
そして、遊んでもらえて楽しいことを
オマエにも伝えたいに違いない──
決して、きのうくらいまで
遊んでもらえなかったからって
決してすねたり落ち込んだりしないと
きらきらした表情は雄弁に語っている──
たぶんこれで正解だ。
──どうだ、そう思うだろう?
ふむふむ、となると
吹雪が悩んでいた読書感想文に
アドバイスをした私の功績も
あさひの笑顔につながっているに違いない。
あの手助けによって吹雪の宿題が早く片付いたと
そういうこともあるかもしれないのだから──
どんなアドバイスをしたのか?
たかが読書感想文。
どのような評価を与えられても
やがては消える塵のように儚い──と。
あとは──
気持ちが伝わるとしてもそうでないとしても
ちっぽけな存在である私たちの
胸の中に問いかけるというささやかな出来事で、
どうしても──
これだけは確かな
自分の感情だとわかるものが
ひとつくらい見つかることも
たまにあるから、
そうしたら何を書けばいいのか決まったようなものじゃないだろうかと、
そんなことを言ったかもしれない。
休憩におやつを食べるのもいいといったかもしれない──
もしもあさひが読書感想文を書いたら、オマエのことばかりになりそうだな。
吹雪の感想文は──いったい何を書いたのかな。