さくら

『むしっくい』
3じのおやつは
りんごのおやつ。
かわむいて
小さくきってたべるの。
まっかなりんごが
みるみる、かわいくかわる。
あかいかわが
するするするーっ。
ほたおねえちゃんの手で
ほどけていくよ。
もうすぐだからまっててねー。
あぶないからじゃましないで
いいこでね!
っていうからね
さくら、いいこでまってたのに……
まってたのに……
なかみは
むしっくい!
かってきたりんご
しんせんなりんご
ほったらかしにしておいたから。
にさんにち……
って
ながいのね!
むしがきて、はじっこたべられちゃった。
むしくいをとって
みんなにわけたら小さくなりすぎたりんご。
ひとりぶんが
おさらに
ちょこん。
かわいいけど
さくらかなしい……
どうしてむしはりんごをたべてしまうの?
さくらのおうちでたのしみに
とっておいたりんごなのに。
わるいことするこ!
ほたおねえちゃんはね、
たぶんうっかり
みちにまよって
ひとのりんごをたべてしまったんだねー
っていうの。
りんごがまんまるであいらしいから。
そんなことってあるの?
むしっくいがよくいるのは
おにわのはっぱ。
きれいないろのおちばをさがすと
むしっくいだらけ!
やるぞ、ってさがしても
いちまいめ
にまいめ
やっとみつけたぶじなはっぱは
いろがまだら……
おしいな。
お兄ちゃんも見たでしょ?
おにわにつもるはっぱ。
ゆうなおねえちゃんが
うへえ!
おそうじのおしごとがたいへんだね!
ほうきをふりまわしてまほうをかけないと
なかなかすすまない
やまもりおちば。
おにいちゃんは、どんなまほうをかけておそうじする?
おにわはきれいないろ。
もってかえろうってさがしても
むしっくいがおおいの。
それはね
むしっくいががんばらなければ
おちばがなくならないでそのまま。
ぶんかいしてください!
おしごとをするむしっくい。
ふぶきちゃんがほめてた。
えらいのだそうです。
ほんとうは、むしっくいもおともだちと出あうとうれしい。
だからあつまって
おにわのはっぱをたべるよ!
でも、いっぴきまちがって
りんごをたべにきてしまったみたい。
それは、たべちゃだめよ。
さくらのおやつなんだもの。
たべられて、なくなっちゃったら……
おいしいのにー!
わんわんなくこで
おおさわぎになる!
ぜーんぶたべられるまえでよかった?
かわりになにか
さがしてみたら、ちょうどあった!
のこってた水ようかん。
きげんは
じゅうごねん、の
じゅうにがつ、の
にじゅう……
さんにち!
あせばむあつさに
まってました!
だれかがいったので
こうなったら
おおばんぶるまいです!
って
おやつをついか。
ひとりにひとつ、水ようかん。
うわあー
くろくてあまい
あずきのあじ
あつくてたすかった!
もうちょっととっておいたら、どうなっていたことか。
水ようかんだもの。
なつのおやつだものね?
むしっくいは、おちばをさがしてうろうろする
あきのはじまりのやさしいこ。
またまたうっかりたべられるまえに
なつののこりを
もうちょっとまとめておきましょ!
なつにのこした
わすれてるもの、でてこーい!
おやつのじかん
すこしごうかになったら
それは、なつのわすれものがあったからなの。