さくら

『さくらがゆく』
とことこ
歩くよ──
みぎへひだりへ
おうちをゆく。
さくらはどこへ?
どこへゆく。
むしとりあみを
てにもって──
ぱたぱた
とことこ。
スリッパから
桃色のサンダルにはきかえて。
もしかして
にげていった
こさめちゃんをさがしているのかも。
そうしたら
むしとりあみで──なんて。
うふふ。
ちがうよっ!
むしとりあみでは
こさめちゃんはとれないよ。
それとも、さくら
みんながよろこぶ
こわいおばけを
つかまえに行くんだね!
……
うそうそ!
むしとりあみではね……
そうじゃなくて、
あっ、そうしたら
さくらはかしこいから──
むしとりあみの
ぼうのほうをつかって
おにわであそぶ
みんなのため
おすもうのどひょうをかいたり
スタートとゴールの
めじるしをつけたり
してあげるのかな!
でも、それは
ふぶきちゃんがしてあげている。
まっすぐのラインも
まんまるも
とくいなふぶきちゃん。
あの、さくらは
あつくてへとへとに
ならない日がきたので──
みんなみたいに
むしをとりにいくの。
かぶとむし──
くわがた──
せみ。
こおろぎもいいよ。
お兄ちゃんは
さくらがどんなむしをとれるとおもう?
おねえちゃんたちよりも
おおきなかぶとむしが、
みつかるとおもう?
さくらのたびは
はじまり──
やがて、なにかにであう。
とことこ
小さなあしおとをたて──
いってきます。
お兄ちゃんがおどろくおみやげを
つかまえてくるんだよ。