立夏

立夏の先生』
あーちゃんは
かわいいねえ!
お肌がもちもちだし──
もふもふしたあたたかい服も
もこもこしたかわいい服も
なんでも似合う!
リッカは女の子。
おしゃれも
好きだから──
ファッションリーダーの気配は
見逃さない。
かわいさを分析し
まねするところからはじめて、
いつかはあーちゃんみたいに
愛されるレディに
なってゆく。
それは遠い道のりだとわかっているけれど
でも、はるかな目標で時間がかかるのは
やらない理由には全然ならない場合も
世の中にはある気がするので、
かわいいあーちゃん、
わがやのアイドルに
学びながら──
世界一かわいいこの子から
いろいろ吸収するのだ!
かわいさを知るためには──
ほっぺたをくっつけると
いいのかな?
なにしろ、あったかいもんな。
ちゅうしてあげると
いいのかな?
ものすごく、よろこぶもんな。
でも、まだまだ
わからないことだらけだから──
だっこして
あやしてあげて
一緒にいてもらって──
こうしているうちに
わかることも
そのうちあるかもしれないな。
立夏の勉強は
まだまだはてしない──
いつまでもすぐそばで
家族でいて──
これからもいろいろ教えてね。
ずっとずっと
よろしくね。
かわいいあーちゃん。
ぷにぷにあーちゃん。
立夏の大好きな、生まれたばかりのかわいいいもうと。

あさひ

『むっちゅー!』
あお!?
ばあー
だあだあ!
あばあば
だっ
ぎゅー!
ぎゅうー!
じーっ
──
ちゅうちゅう
ちゅぱっ!
(あ!
 みんながかけてゆくのは
 あっちになにかがあるな!
 おにいちゃんか!
 おやつか!
 あたらしいあそびか!
 こ、これは──
 おしゃれだ!
 ふゆのおしゃれをするりっかだ!
 つかまえた!
 かわいいな。
 あさひも、おしゃれのこつをみてぬすむからね。
 もっとくっついたり
 なめたりしてしらべようっと!)

真璃

『歌と踊り』
わ!
今日も寒いわね!
いつもなら、子供たちが
楽しくなった時はすぐ
踊りはじめて
みんなつられて
大さわぎなのに、
家の中にみんながこもっているから
なんだかせまくて
すぐ誰かに当たってしまうの。
それどころか──
こたつにあたって動かない子、
あたたかいミルクを大事に抱えている子、
ついには
体が温まるお料理の準備中と聞いて
お手伝いしたい子がキッチンに集まることに
なったりしているの!
なべものらしいわ!
やっぱりこの寒さでは
みんながいい子にして
協力していかないとはじまらないことを
ひとりひとり
だんだん理解していく状況のようね──
もうすぐ、編み物を習い始めたり
暴漢の実用性を備えた
冬のおしゃれな組み合わせを研究するように
なっていくのかしら──
はたまた──
こたつから出ないまま
おなかをすかせてしまうかもしれない──
冬のわがやを
気を付けて見守っていかないと
こたつのみかんはすぐになくなるし
ミルクの買い出しも、もうすぐ必要になるし
やがては人の集まる
キッチンで──
おいしいにおいで、つい体が動いてしまう子が
あらわれるかもしれないわ。
騒ぎの種はいつもそこらじゅうに転がっているわね。
フェルゼンは、こんな毎日を
あったかく過ごしている?
もしも寒そうにしていたら
すぐにみんなが駆けつけて
心も体もぽかぽかになってほしいあまり
踊りだしたり歌いだしたり
こたつに誘って出られなくしたりするわよ。
気をつけてね!
いつもにぎやかなのはいいけれど
騒ぎすぎたらたいへんよ。
マリーといっしょなら、優雅にミルクを飲んで落ち着けるわよ。
この過ごし方が──わりとおすすめね。

海晴

『目指すのは』
ああ、寒い!
いつも良い子で
風邪に気を付けて元気でいてくれる
いとしい家族たちには──
いいことや
うれしいお話、
とびっきりのお土産話を
いつも持ち帰ってみたいと
思うのだけど──
そして、寒い時期でも
ますます力強く過ごしてもらえるように
海晴お姉ちゃんは活躍の場を探したいのだけど!
やっぱり、一番は
明るく暖かくなるいいお天気のお知らせを
届けたいのに、
このごろは
寒さに注意のお話ばかりを
伝えないといけない状況なの!
水道の凍結や
暖房が原因になる火事の危険、
そして何より
おうちの中で
暖かく過ごしてくださいのお話──
誰だって、できれば
日なたの散歩くらいはしたくなる時があるし
気が向いたらお買い物だって楽しい。
だけどこの時期だけは
どうしても──
強い風と厳しい寒さ、
ところによっては雪。
私の言葉は
いつもしんきくさい注意ばかり──
大事なことなのはわかってる。
でも、たまには──
こんな毎日でも
せめて三日に一度くらいは
お待たせしました!
春がやって来たするような暖かさで
もうなにも困ることなんてない日ですよ!
みたいに
ちょっとした幸せを
大げさに伝えたりしたい!
けど──まあ、なかなかね。
どうやったって
私の気分でお天気が変わったりしないもんね!
というわけで、気分を引き締め
家族みんなと一緒に今を乗り切るのに
全力を注いでいる真っ最中。
このままの状態が続いたら
本当に春が来て暖かくなった時に
どれだけ喜んで
跳ねてうかれて飛び上がるのか
今から怖いくらい──
まったく、どうなることやら。
その時は、できれば隣にいてね。
いつもみたいに近くで──
あんまり大げさでなくてもいいから、
少しだけでいいから──
どうか、一緒に喜んだりしてくれたらうれしいな。

青空

『うわさ』
みんながきになる
うわさばなし。
あのひとは──
きょうもあかるく
げんきに
していたかな?
おいしいもの
たべてたかな?
おへやに
あそびにきてくれる?
うわさをして
おはなしをきいて
それで──
さくせんをたてるんだって。
あのひとが
きょうもあかるく
いられるように!
おいしいもの
たべられるように。
おへやに
あそびにきたくなるように。
うわさを
きかなきゃ──
わからないからね。
そらはね、
きょうはね、
あかるくて
おいしくて
たのしかったよ!
だから
うわさをききたい
こどもの
ところへいって──
おしえてあげるんだよ。
ひろがるうわさ。
そらちゃんが
たのしかったらしいよって
みんなのこえが
きこえるよ。
ゆきおねえちゃんが
たのしかったみたいだよって
こえといっしょに
きこえてくるよ。
つぎにきこえてくるのはなんだ?
おいしいものがあるところはどこだ?
とびかううわさを
つかまえにいかなきゃ。
そら、あしたもあかるくたのしいよ。
みんなのうわさを
きいたから
たのしくなるよ!
おにいちゃんも、なんでもおしえてね。

氷柱

『寒い日は』
これは
温かい飲み物。
寒い日に飲むと風邪をひかないと言われているわ。
ホットチョコレート
レモネード、ココア、ミルクセーキ──
他にもさまざまに
お好みで選べると言い伝えられているそうよ。
そんなに便利なものがあるのね。
知らないと損をするわ。
さて──
風のうわさで聞いた
本当かどうかもわからない話によると、
寒い日は大変だけど──
がんばって元気で過ごしていれば、
優しいお兄ちゃんが様子を見に来てくれるんだって。
時間の約束をして
待ち合わせをしたり──
お菓子のお土産を持ってくることもあるという。
へー。
ふーん。
私の目の前には──
安易に考えなしの約束をした挙句
誰の誘いも断り切れずに
あちこちの部屋に連れ回され、
へとへとの顔をした
おまぬけな人がいるようだけど──
きっとこんなに情けないのは
憧れのお兄ちゃんとかいう存在ではないようね。
妹のほうから
きっちりとしつけをしておかないと何もできない──
言ってみれば
ご主人様を持った下僕というのかしら。
きっとそうね──
だから。
待ち合わせの約束をして
人と会う用事があるのなら
疲れ切ったり弱ったりしないように
見てあげたり──
体にいいものを教えたりするのも役目なんだわ。
あなたが体調を悪くして
悲しむ子がひとりも出ないように
私が気を付けないと──
でないと、なんにもできない下僕がいるんだから。
ああ大変なことだわ。
おうちにお兄ちゃんがやって来るって──こんなに面倒くさいのかしら?
まったく、困ったこともあるものね。
私が作り方を知っているものは教えてあげてもいいわ。
知りたいでしょう?
そうでしょう?
下僕の身を守ってくれるやさしい飲み物なんだもの──
私が知らないむずかしい調理法は──ええと、別の誰かに聞くといいんじゃない?
あとはあったかくして早く寝るといいと聞くわ──
昔から言い伝えられているんだから、多少は信頼できるかもしれないわよ。
あとは──
ばかは風邪をひかないというくらいだから
今日だけは私が言いたいことがあるのかどうか
何も考えず
何も気づかないようにして──
ゆっくりのんきに心配事もなく眠ることね。
後で話があるけど──それはまた今度でいいわ。
先のことは、今日だけは考えないで。
ああ──そもそも下僕が考えなしの約束をしたから始まったんだったわね。
やっぱり──あなたはそのままでいいんじゃないかしら。

さくら

『おこしください』
これは
しょうたいじょう。
おへやにおまねきしたい人へ
おてがみをだすと──
きてくれるかもしれないし
ことわられるかもしれない。
しゅん──
ことわられたら、かなしいな。
そういうおてがみ。
お兄ちゃんへ。
さくらとみんなのおへやに
あそびにきてください。
きっと、たのしいの。
子グマのミーチカちゃん。
おふとんにあそびにきてください。
あー、あったかい!
ぽっかぽか。
ねないこを
つかまえる
おばけさん。
さくらがねむれないのは
わるいこだからじゃなくて
おばけがこわいからなの──
こないでください。
いろんなしょうたいじょうを
たくさんだして──
サンタさんも
しちふくじんのたからぶねも
ようちえんのせんせいも
さくらがよべば
あそびに
やってきて
とってもたのしいよ。
そんなおはなしをきいたの。
でも、しょうたいじょうは
ひづけと
じかんをきめてごしょうたい。
さくら──
いますぐ
きてほしいのに!
お兄ちゃんのてをつかまえて
おへやに
あそびにきてほしいのに。
だから、さくらは
あんまり
しょうたいじょうはつかわないこどもなの。
おみやげも
まちあわせも
あんまりいらないから──
さくらのところへきてくださいってよぶよ。
おおごえでよばなきゃ!
おーにーいー
ちゃん!
まってるね。
これは、しょうたいじょうだったカード。
お兄ちゃんがきてくれたときにみせて、
いらなかったねって
じょうだんをいうの!