春風

『夢を見る場所』
最近小耳に挟んだ話だと
どうもおうちのこたつのお部屋が
大変なことになっているらしいとか。
春風も好きです。
こたつ。
なんだかいいですよね。
寒いお外から帰ってきた家族が
自然に集まるの。
暖かくてうれしくなると、いつのまにか話も弾んで
心の距離も近くなるみたい。
ねえ王子様、
なんだかこのまま──
気持ちだけじゃなくて
冷えてしまった体ももう少し
あたたまりたい──
縮める距離は目に見えるものでもいいですか?
もっと近づいてもいい?
……なんていう会話が自然に二人の間を結ぶ!
となると、どちらかというと
春風もこたつ派といっていいのかもしれません。
知らないうちにこたつを好きになる人が増えたみたいだけど
いいんですか?
春風はこんなに密着する場所があったら
ちゃっかり乗り込んで利用することに
なんのためらいもない子──かもしれないのよ。
ずんずんとこたつのお部屋に乗り込んで声が出てしまう。
まあ!
まあなんていいものなんだろう!
こたつの布団をもっと暖かさを感じる色に変えたらいいかしら。
そうするとなんだかいいムードになってしまうけれど
もちろん狙った効果であって──ええと、気持ちが落ち着いてゆったりしますよ。
それじゃあ、お掃除もしていきましょう。
マンガを読むためのこたつではありません。
おやつをぽろぽろこぼすためのこたつではないの。
家族がぎゅうぎゅうくっつきあっていられる空間に
余計なものは何もいらない。
無駄なものばっかりあっても
春風は認めません。
毎日持ち込むのは、一日分のお土産話だけでいいの。
春風が来たからには
こたつは誰もが気持ちよく使うようにしてみせます!
霙ちゃんも
こたつの入って寝ぼけていたのか
ゆっくりしすぎて童心に帰ってしまったのかも。
お慈悲をーって言って遊んでいました。
きれいに掃除できて、気持ちもすっきり。
これからは一人一人が協力し合って気持ちよく使っていくんですね。
家事マスターの春風が決めたから
不満は却下、です。
だから王子様に喜んで欲しいものや
春風を喜ばせてくれるものを持ち込むなら
こっそりとしないといけないの。
みんなが見ている前ではだめだというのが
これからの約束です。
子供たちが見ているから──だめですよ。