立夏

『タイムトラベラー』
つい先日。
大掃除でばたばたしていたのが
昨日のことのような──
それにしては
こんなに大変だって忘れかけていたような。
年末に片付けたばっかりだけど
大事なものはちょっといい箱に入れて
しまっておきたいじゃん?
いいものが増えるお正月──
年賀状も
いっぱいの写真も
すぐ取り出せるところに置いて
ながめたいよ!
その結果
手が届く範囲がごちゃごちゃしてしまっても。
ほら見て!
酉年のあいさつはもう一区切り。
こんなににわとりの絵に囲まれることなんて
ずっと先までもうないよ!
こんなに動物ばっかりで
見よう見まねで描いてみる。
描いたら見てもらいたくなる。
送りたくなる、
そんな気持ち。
もらったら
とっておきたい。
季節を感じる
お正月らしさなんだもの。
オニーチャンのところに
立夏の年賀状は届きましたか?
一番上手にしっぽを立てた
まんまるなにわとりを
それだけじゃ足りなくて
さらに羽も増やしたりしてさあ。
面と向かって
手渡ししたというのに
下手だから
恥ずかしいから
後で見て!
というあれ。
ちゃんと
とっておいてくれるかなあ……
ときどき
部屋の中から出てきてさ。
去年やおととし、
いつかのお正月のことを思い出すの。
昔のその時に帰った気分に
けっこう簡単になれるなら
じゃあ、もっとたくさん受け取っておいてもらって
来年や再来年になったら見てください、
そのときも一緒にいるしるしですっていうの
できないかなあ。
おかしいかな?
懐かしくて
うれしいのを見ていると
立夏でもなんとなく静かに
浸っちゃうから
ちょっと
似合わないんだよね。
しまったのが出てきたときに
一人で見るのは。
立夏が引っ張ってきたら
すぐ来てくれる人が
思い出して話しながら見るようでないと
つまらないような気が
少しする
懐かしむようなひととき。
昔の楽しかった瞬間に戻るときも
ぐいぐい手を引っ張ってついて来てもらうの。
へへ。
一人にされてほうっておかれると調子が出ないんだ。
下手な絵を見せて
かまってもらわなきゃいけないみたい。
小雨ちゃんも今の時期なら大掃除でかかったエンジンの調子もすごくよくて
誘ったら来てくれて
遊んでくれるからいいよ!
お正月の後に
大事に片付けるのって
めんどうくさいことになっちゃうけど
ぜったいこのまま先まで
治らない癖になっちゃいそうだよね。