ヒカル

『やるぞ!』
気が付いたらもう
8月もなかば。
予定通りに進んでいれば
そろそろ終わりが見えていたはずの宿題は
今年ばかりは──
ついついオリンピック観戦、
毎晩の夜更かし──
いくら体力に自信があったって
夏の暑さと
限られた時間では
思ったほど計画が片付かないのも
仕方のないところ。
でも、大丈夫!
まったく進めていないってわけでもないし
これからだって問題なく間に合う。
あらためてスケジュールを立て直してみると
だいぶ余裕があることもわかった。
まだまだこれから。
涼しい朝のうちに宿題をして
そのあとは、たくさん体を動かして遊ぶ──
そういう夏休みが
まだ私たちには残っているはずなんだから。
たとえ厳しいと思ったって
今日まで──そしてこれからも
私が見てきたのは、世界を相手に挑戦を続ける姿。
あきらめない──
背筋を伸ばして前を向くその表情。
積み重ねた時間と
自分自身を信じる
あの顔を知っているからこそ
私だって、宿題を相手にしても負けない。
そう言える。
ただ、ほんのちょっとだけ
あこがれて
近づきたくて
無意識に、自然と体が動く時間が
今のところは増えている気がするけど
そのうち落ち着くことだろう。
たぶん落ち着くんじゃないかな。
それにしても──
今年のオリンピックでは
何度オマエと結婚の約束をしただろう。
そのたびに──
もう家族なんだから、結婚しているようなものだと思い出す。
これからもよろしく。
ふつつかものですが──どうか長い付き合いを。
この先も──ずっと変わらず
私たちの過ごす時間は続いていくようにと願う。
また次のオリンピックも一緒に並んで
楽しくいられるように。
もし宿題が間に合わなかったら、たまに、また──助けてね。
オマエが困ったときは、そう、私は応援くらいなら得意だからさ!
そうしてずっと一緒にいるんだ。