『発見』
今日も暑い日だったわね。
わがやの良い子たちは
言いつけをきちんと守って
特に暑い時間帯はおうちの中で過ごすし
手がかからなくて
何も心配はいらない。
今日は──涼しくなって外で遊ぶために
髪が伸びていないか見てあげて
遊びやすいように結んで──
こんな時に、仲のいい子とおそろいにしたり
お姉ちゃんの真似をしてみたり──
子供たちは無邪気でいいわね。
私も器用なほうじゃないけど
手が覚えているから
それくらいのお世話はできるの。
これは、夏になるたびに立夏がおねだりする髪型。
こちらは、おうちの中にいることが多い小雨ちゃんが
少し勇気を出してお出かけするときに好きな髪形──
家族のことは何でも知っている。
私だって、手先が器用な子ほどじゃないけど
その気になって練習すれば
わりとなんでもできるほうじゃないの?
過酷な暑さの夏を乗り越えるために
氷柱の実力は役に立つ──
どれだけ頼られることか
想像するだけで大変そうだわ!
最近は──
あまりオリンピックに興味がなくて
深い話についていけなくなることもあるこの夏、
本当に大事なのは
家族を思う気持ち、
それだけあればなんとかなる、
何も困ることはないと
この手で証明して見せる──
これがお姉ちゃんのやり方っていうものよね。
下僕もよく見て、覚えておくことね──
いつか何かの役に立つかもしれないわよ。
こっちは春風姉様から教わった結び方。
これは私が小さい頃にはやっていたの──
え、なんですって?
小さい子たちが
あのオリンピック選手の髪型だとか
真似してみたいって言い出したって?
そうなのね──やっぱり
オリンピックの時期にはスポーツ人気には
なかなかかなわないこともありそうね!
話を聞いてみないと気が付かないことだったわ。
もとからスポーツマンでも目指していたら、よかったのね──
さて、それじゃ
今から練習して、世界に立てる競技と言ったらどれかしら?
それくらいのこと──みんなが応援してくれるなら
できないはずはない。
四年後は、妹たちにも
私の雄姿を見せつけて真似をさせてやるんだから
そのつもりでいなさいね。