海晴

『しっかり睡眠を』
うと……うと……
オリンピックの応援に盛り上がり
寝不足になりがちなのは──
何も、運動が好きな
ヒカルちゃんだけではない。
見ていると面白くて
みんなと話しながらだったり
ヒカルちゃんの解説もあるおかげで、
にわかにスポーツ観戦の楽しさに目覚めて
もっと、もっとと
熱が増していたり──
それに加えて
今の時期、
汗がだらだら流れる暑さが続いたと思ったら
このごろは雨がさっと降って涼しくなることが多くて、
寝苦しくもなく
ちょうどいい──
夜更かしした分を補ってあまりある、
そうなればよかったのに
また熱くならない今のうちに
お外に出たがる夏休みの子供たちと
遊んであげたい気持ちもあって、
ふわぁ……
あさひちゃんと並んで
あくびが出てしまう。
みんなのお手本になるお姉ちゃんが
こんなことでは、困ったものだ。
だけど、お姉ちゃんだって
まだまだ好奇心旺盛で
いろんなことに夢中になりたいのは
小さなあさひちゃんと同じ。
だったら、よく似たあくびが出てしまうのも
仕方がないことだ──
とはいえ、もう赤ちゃんではないんだから
自分の体調は
自分で管理しないと!
あるいは──
ちゃんと管理してくれて、だめな海晴を叱ってくれる人を
探さないと!
あるいは──もうそこにいる
海晴お姉ちゃんが大好きで
素質のある人を
育てていかないと!
でも、今日のところはひとりで大丈夫そうかな?
こんな日のために用意しておいた
おろしたての新しいシーツに、枕カバー。
気持ちよく眠ることにかけては──
他のいろんな大事な話と同様に
一日の長があると、まだ見栄を張っていたいものだ。
好奇心旺盛で
小さい子みたいなのに、おもしろいね──
あーちゃんを寝かしつけて
自分も良い夢を見て──
明日にはもう、すっきり元気を取り戻していると
海晴はなぜかもう予感している──おやすみ!