『風の通り道』
私たちの町も
9月を迎えました。
まだまだ青い空にまぶしく白い日差し。
高く背伸びをする午後の入道雲からは
帰り道の足を急がせる夕立の気配。
今年もみんなで過ごした真夏の景色は
そんなに変わらないままだけど
濃く茂った緑をかすかに揺らす風が
きのうよりも少しだけ涼しくて
すっきりと体を癒してくれることも
次第に増えていくよう。
暑い暑い夏を乗り越えて
そろそろ過ごしやすい日を待ち望む気持ちが
そう思わせているのでしょうか?
9月の到来と同時に
秋の気配がそこらじゅうに
ちらちら顔を見せはじめ
変わり行く日々を伝えようとしているのは
今のところはまだ気のせいと言われても仕方がないのかな?
小さな子も多いわがやは
毎日大変だった夏にも
調子を崩す子もなく
元気な声とやまない足音でいつもいっぱいでした。
どれだけ元気で
おもしろかったか、
お姉ちゃんたちのお土産の花火を見つけては
家中の壁が飛び散って割れるような歓声をあげ
ビニールプールの準備をする水音が届いたら
はねるように庭まで駆け抜けてゆく。
お買い物のお手伝いについてきてくれる子を
さがして声をかけたら──
みんなが一斉にとびかかって
蛍はつぶされてぺらぺらにされているの。
やっぱり夏休みで暇だったのかもしれませんね。
暑さはすぐには和らぐわけではなさそうだけど
夏休みはついに通り過ぎて
もう戻らないお祭りのような思い出に変わりました。
はあー
9月からはお買い物も蛍が一人きり。
みんなをうまく誘い出すくふうをして
まだもうちょっぴり毎日のくらしに
にぎやかな楽しみを分けてもらいたいと
考えているところです。
おだちんは出ないけど
蛍がよくほめてあげるだけでは──
ついてきてくれる子はあんまりいないのかなあ?