『歌と踊り』
今日は暖かくてよかったですね。
花はまだ開いていないけれど
たまに風が強かったから、吹き飛ばされそうだし
まだそのくらいでいいのかしら?
おびえた怖がりのつぼみが
春の陽気に、開ききれず揺れている──
そんな頃でも
おうちの子供たちはとっても元気。
晴れたらお外で駆けまわることしか頭にない。
ボールを持って。
バトミントンのラケットを持って。
私たちの手を引っ張って──
どこまでも走ろうとする。
お庭が狭すぎるのではないかというくらい全速力で
これでは次のオリンピックを待つまでもなく
春が来る前に世界記録が出てしまっても不思議ではないですね。
そんなにいつも全力ではいられない
私たちは──
いいところで負けてあげて
花を持たせるつもりが
意外とむきになっている自分に気が付いたり、
何度も勝負を挑まれて
体力が追い付かなかったり
春が来るのって
楽しいことばっかり。
でも、汗びっしょりになってしまう。
ふうふう──
私も昔はこんなふうだったって海晴お姉ちゃんたちは言うけど
本当でしょうか?
いくら小さな子供だからって春風がまさか──
うーん?
あんまり覚えていないことだし
おてんばだった記憶をなかったものにして
すましたお顔でいるのも──
忘れっぽいのをちょうどよく利用できていいのではないかしら。
こんないいお天気で
今年もみんなと過ごせて
うれしいということ──
気が付けば、はしゃいでいるということ。
忘れっぽさを言い訳にして
とってもうれしくて幸せなのだと
言ってもいいのかもしれないわ。
遊び飽きた子も
じっとしているのがもったいないみたいに
踊り出す。
歌い出す。
人生は歌と踊りだと
昔の人は言ったと、そう聞きます──
もちろん、現代の人もそう言っていたような気がします。
春が来て、
これから春風のまぶしい人生も本当に始まってしまうのかしら?
恋をして、思いをかなえて、そして──
暖かな日も、まだ日暮れは急に冷え込んでしまう。
みんなで手をつないでおうちに戻ったら──
明日もまた、よく晴れて春らしい日になるといいですね。