海晴

『雨が降る』
まもなく連休を迎える
お天気お姉さんの、
何よりの楽しみ。
そのひとつが──
わくわくしたり
ちょっぴり不安になったりしながら
空を眺めるみんなに向けて、
すばらしい気圧配置を見せる天気図と
お天気お姉さんの明るい声で
晴れるでしょう!
と、踊りたくなりながら
宣言することなのに──
まあ、予報するお仕事であって
お天気を変えるお仕事があらわれるのは
まだまだ先のことだろうから。
というか、お天気お姉さんがするのかどうかもわからないから。
急な雨や寒さに気を付けてくださいね!
そう大事なことを伝えて──
またいつか、晴れの日が近づいたときを楽しみに
家での自分たちの勉強、
守るべき日々の生活に戻っていくのみ──
やがてまた、お仕事の時は来るのだから。
というわけで
しばらくはおうちでのんびり過ごすからね♪
家のことは
暇でしょうがない妹たちがなんでもやってみたいようだから、
何も心配はいらない。
目と耳と、そしてきっと香りでもおいしいはずのお料理をお任せして、
すっきり快適なお部屋を作るお掃除をお任せして、
なんだったら洗濯や片付けまで
おうちのこと
全部預けてしまえるかしら?
せっかくのお休み、のんびりさせてもらおうかな。
あ、飲み物ね。
ありがとう!
小さい子が、いっしょうけんめいに運んでくれるとなおおいしい。
あ、おかわりね。
ありがとう!
ホットな温度では届かないところまで心が温まる──
またおかわりね。
ありがとう!
これくらいでないと、何もかも身を任せて休んでいるという気がしない──
ああ、その、また、あの、これは
テーブルがカップでいっぱいになっても
みんなが飽きて遊びに行かなければ
片づけてくれると思うし──
お天気お姉さんでも雨はどうにもならないから
慣れるしかないわけだけど、
できれば、みんなを笑顔にしたいという理由だけじゃなくて
早くさわやかな快晴を呼び込む技が
世界中に広まるといい気がどんどんしてきたわね──
あと、暇な子たちを
いっぱい相手にしてあげるいろんな遊びの知識もあるといいね!