氷柱

『今日もまた』
家の中のどこからも、
庭からだって──
大騒ぎする子供たちの
元気な声が聞こえる。
どこまでも高く
さわやかに透き通った
水色の空に向かって
吸い込まれていくように──
どう思う?
子供はこうでないと
張り合いがない!
と、喜ぶ人もいれば
無茶ばっかりして
目を離すと大変!
って、追いかけまわす人もいたりしてね。
そんなことしたらあの子たちは
ますます喜んでしまうわ──
私はね、
私は──
こういう時にしっかり
はしゃぎすぎて危なくないように
目を光らせている大人が
一人くらいはいないといけないと
思っているのは確かではある──
でもね、
あの子たちみんな
冬の寒い時期も励まし合って
元気でいられるように
子供なりにちゃんと考えて
よい子にしてきた時期が長かったんだから──
あんなに、ずっとしっかりしてがんばってきたんだから
今日一日くらいは
何も言わないであげてもいいのかなって──
なんだかそんな感じで
ここ数日、ずっとそうしているような気がするのよね!
いけない──
だいたい、冬を乗り越えてきたといっても
多少は好き勝手にやっていたのも見てきたような気もするし。
ずっと、変わらず
いろいろ騒がしかったかもしれないし──
暖かい日が来たのはみんなうれしいに決まっているけど
そろそろ、きちんとしなくちゃね!
まあ──
あんなに楽しそうなら
もう一日くらいはね。
ほら!
家に入っておやつを食べる時間だって。
ちゃんと手を洗ってきれいにしないと──
いうことを聞かない子は
氷柱が追いかけまわしてつかまえるわよ!
ほら、見て──
こういうときは
ちゃんと聞き分けがいいのよね!