海晴

『私の役目』
わがやのたったひとりの男の子、
みんなの愛する長男くんは
今日も忙しい。
遊んでほしい子、
お話を聞いてほしい子、
絵本を読んでほしい子、
おすもうで
力比べをしたい子。
きらいなおかずを食べる時に
となりについていてもらいたい子──
みんながキミを頼りにしている。
疲れた顔はあんまり見せないけれど、
でも、きっと大変なんだろうな。
よし!
一家の一番上のお姉さんとして
みんなを見守ってきた経験も長いお姉さんが
助けてあげられることがあったら
なんでもしてあげよう!
私がしてもらって
うれしかったことを全部──
あなたにあげなければ
もうちっとも気が済まない。
愛する人を励ますのに
全力でありたい──
さあ、なんでも言って!
お話はどんなことでも聞いてあげるし、
力が付くお料理も作ってあげたい。
甘いものも元気になるよ!
気持ちの休まる音楽があったら助かるし、
少し眠い時は
小さな子たちのおねだりから
守ってあげてもいい──
さあさあ、
海晴を役に立てて!
それとも、年上に頼るのは
かえって落ち着かなかったりする?
家族で過ごす経験が豊富な海晴。
たったひとつだけ
できなかったことは──
年上のお兄ちゃんお姉ちゃんに甘えること。
だから、キミがもしも年の差が気になるとしても
それだけは──私では助けてあげられないかもしれない。
ぐいぐいくるお姉ちゃんが苦手なら
なんでも言ってね!
すぐ言ってね!
私より年が上のきょうだいはいないけれど、
私よりたくましくて大きい
男の子はいる──
キミに余裕があるときに
甘える経験も積んでおきたいから
その時はお願いね。
ちゃんと私に教えられる
先輩になれるように──
疲れて大変な時は
いつも私を頼るといいよ。
それはきっとみんなにもいい経験になる
キミの特別な役目だと思うから。
このおうちに来たからには
海晴お姉ちゃんに甘えることから逃げるなんて──もうできないと思っていいからね♪