吹雪

『ボディランゲージ』
いえ、私は
踊っていません。
虹子が私の周りを
巡るので──
足を踏まないように、
または踏まれないように
進もうとしただけです。
仮に急ぎの用事があったら、
子供の高い体温が苦手なのを忘れて
虹子を抱っこして運んでいたかもしれません。
たまたま急ぎの用事がなくてよかった──
そういう出来事でした。
それにしても
踊りはいいですね。
少なくとも、虹子の場合であれば
陽気な気分であると
人に伝えることができます。
さきほどのように
つまみぐいをして怒られていた場合など
踊る余裕などありませんから──
キミもなぐさめてあげてください。
また、観月は自然への畏敬を
表現するのが上手であるらしい。
四季折々の移り変わる喜び。
暗闇の怖ろしさ。
人間よりも大きな世界を
知ったことのおののき──喜び。
きっとたくさん練習したはずです。
キミも見せてもらうといいでしょう。
よければ、ほめてあげてください。
それからマリー。
このくらい大きくなると
音楽に合わせて踊るのがとても上手ですね。
子供はみんな踊りが好きだと
海晴姉は言います。
私も陽気な音楽を聴いたら
自然に体を揺らしているということが──
ないとも限りません。
例えば読書の最中などに
自分でも、気が付かないうちになどということが
あるのでしょうか?
効率的なエネルギーの使用用途とは
言えない気がします。
もし、私が踊っているともいえるような形で
体を動かしているのを見かけたら──
あまり気にしないでください。
私にも、そういうこともあるかもしれません。