『夕立』
今日はずっと
落ち着かないお天気の日。
庭で遊んでいた
子供たちは──
雷に驚いたさくらを先頭にして
雨が降り出す前に
間一髪!
濡れずに玄関へ
飛び込んできたわ。
まあ、泥だらけの服を
洗濯機に放り込んで
そのままお風呂に連れて行くコースだったから
濡れてもそんなに変わらなかった気がするけど。
小雨ちゃんもちっちゃい頃は
ぽつぽつ降りはじめただけで
あわてて帰ってきては
春風姉さまやヒカル姉さまの手をつかんで
離れなかったんだって。
怖がりの性格は我が家の何人かに
受け継がれているそうだけど
あなたはどう?
ちっちゃい時から
この家にいたら──
すぐお姉ちゃんのところに逃げ込む
かわいい写真が残っていたりして!
私も──
一枚くらいそんな写真があればいいのにねって笑われるわ。
何がいいのかな!?
でも怖がりなのも悪いことばかりではないそうよ。
今日だって、さくらちゃんのファインプレーで
誰も風邪をひかないで済んだんだから。
むしろ逆に──
暗くなっても何も怖がらないで
帰りが遅くなるほうがいけないわ。
あなたも暗いのが平気だからって
駅にいる時に
お目当ての車両を見たら帰ろう!
なんて思ったりすると
後で怒られたりするから──
気を付けてね!
また今度、海晴姉さまにも報告をして
怒ってもらうみたいな話。
すっかり夏で明るい時間も長いんだから
いいじゃない──
とはいかないみたい。
ああ、私がもう少し怖がりだったらよかったのかな。
いや、少し怖がりなくらいなら
帰る時間はそんなに変わらないかな──
危険を察知する敏感さって──きっと人間には大事なんだわ。
後天的に得るのがむずかしいのが唯一の問題ね!