ヒカル

『新感覚』
私が今遊んでいる
これは──
パズルというものだそうだ。
あらかじめ決められたルールに従って
手を動かす順番を
考えたりしながら
最後には必ず解けるようにできている。
もちろん私だって
パズルくらいは知っている。
子供の時に遊んだこともあるし
妹たちが苦労して解くのを
見ていてと言われたこともある。
冬が来て風は冷たくても
いい天気の日、
体を動かす子たちと
家でゆっくりする子で
いったりきたり。
私はどちらかというと
ずっととんだりはねたり
しているほうだったはずなのに、
不思議なことに今日は
私が何となく妹たちに腕を引っ張られて
家の中でパズルを解いているし、
小雨は冬に向けて体を鍛えたいからと
外で張り切っている。
虹子たちががんばっているって、
このごろよく報告にやって来るから
負けるわけにはいかないと思ったのか──
あんまりみんなが言うから
外もいいものかもしれないなんて気がしたのかもしれない。
私は──
どうもよくわからないが
たまにはいいかなと思いながら
家でごろごろしている。
立夏がいつも
楽しそうにしているからかな──
このパズルの本は
小学生たちの間で上の子から順に
伝わっているおさがり。
驚かないで
聞いてほしい──
この難問を解いてしまう子が
我が家には何人もいるらしい!
それと、私がこんなふうに
のんびりしているという話も──
驚かないで聞いてくれるだろう?
冬のせいなのか知らないけれど
たまにはあるんだ。
オマエはもう知っていたかな。