夕凪

『知恵の泉』
秋の夜長を共に過ごすベストフレンドは
パズルとクイズ。
知恵を使って難問に挑戦!
がんばれば解けない謎なんてひとつもない。
クロスワードにジグソーパズル、
数字パズルやマッチ棒クイズ──
日々鍛えられて
夕凪の頭がみるみる賢くなっていくよ!
たてよこななめの合計をそろえる
魔術の方陣
方陣
コツをつかんだら
きのうよりも速いスピードで
夕凪にも解けるようになるの。
空いてるところに数字をひとつひとつ合わせていく
総当りだけど。
なにしろ問題を解く時間はたっぷりある。
晩ご飯の後片付けをして
洗濯物をたたんだら
かわいいパジャマを着た夕凪は──
枕元でおはなしを読んでもらったって
小さい子じゃないからもう眠れない。
秋が連れてきた夜の時間がなぜか呼んでいるような気がするの。
お兄ちゃんはどう?
聞こえる?
夕凪ちゃん、謎を解いてください。
邪悪な企みによって闇に隠された秘密を
光を当てて照らし出してあげてください!
そう夜が誘っている声──
まあ夕凪には聞こえそうで聞こえないんだけど。
この調子で長い秋が続いてしまったら
もうどんな謎も
夕凪にわからないことは何にもなくなってしまう。
吹雪ちゃんがいつも考えていること、
数学上の難問や
宇宙が生まれたときの謎や
お空の星に宇宙人はいるのかだったり
お兄ちゃんの妹に生まれた理由だとか
どうしたらお兄ちゃんと結婚できるかとか
誰より一番よくとぶ竹とんぼの飛ばし方や
カツ丼とエビフライを毎日食べる方法なども
残さず解き明かしてしまう。
まあこのへんは、夕凪が気になっていることも混じっている。
吹雪ちゃんがまだ知らないことも
お兄ちゃんが知らないことも何もかも
夕凪は秋の夜長のおかげでわかってしまって
そうしたら
寝る前に枕元で教えてあげて
みんなぐっすり眠れるというおはなしです。
難しいパズルほど
解けたり解けなかったりしているうちに
いつのまにかよく眠れていていいよね!
小学校の図書室から借りてきた本で
夕凪が天才に近づいていくよ。
今夜も──
今まで見たことのない特別なパズルばっかりが目の前にずらり。
さあて!
夕凪ね、お兄ちゃんが解けなかったら
となりでヒントを出してあげる!