綿雪

バスタイム
ばたばた足音を鳴らし
暗くなったお庭から逃げるように
大急ぎで帰ってきた子供たちは
口をそろえて
さむーい!
お風呂に入る!
って大さわぎ。
真っ暗になるまで遊んでいたから、
いつもいつもお風呂が混んでいて大変だと
氷柱お姉ちゃんはあきれているけれど
実は──ユキは知っている。
ついこの間のような
とても暑かった季節、
いつものように帰ってきた子供たちは
楽しそうに飛び跳ねて
汗かいた!
おふろだーって
夢中になって駆け抜けていったことを。
これではまるで
なんでもいいから理由を付けて
お風呂に入りたいみたいではないですか?
そんなに──?
みんなが大喜びの
とってもいいもの、
まるでそんな様子です。
ユキは今日、
少しお熱があるのでお風呂はお休み。
どんな理由を付けてみたって、
いっしょうけんめいお願いをしたって、
たとえ急いでみたところで
すぐにベッドに戻されて
お布団をかけてもらって
それでお休み。
みんなが夢中の
いいものなのに
お風呂には入れない──
そんな日もたまにあります。
だけど、いいお味の
おうどんだけは
みんなとおそろい。
ベッドまで届けてもらい
おいしい香り。
みんなも──おいしく食べていると思うの。
今日はそんな想像で我慢する日。
でも、あんまりおいしいと
取り合いになってしまうから
お兄ちゃんが見てあげてね。
仲良くして
にこにこで食べていたと
もしよければ、後で教えてくれたら──うれしいです。