綿雪

『近づく春』
今日もよく晴れた日でした!
でも、あんまり風が強いと
庭で遊べなくて
お家の中にいないといけなくなっちゃう。
ユキは体が弱いの──
お外に出たいなんてわがまま言ったら
みんなを困らせてしまいます。
氷柱お姉ちゃんは、昨日はたくさんお庭でみんなといられて
よかったでしょうって
言ってくれるの。
でも、きのうはきのう!
きょうはきょうでしょう?
いけないのはわかっているの。
でもやっぱり冬の寒さが和らいで
だんだん春に近づくのを
体全部で感じ取れるような
いい日差しと、
冷たいばかりではなくなってきた風の違い。
今しか感じられないものがたくさん
お庭の隅の木漏れ日の
ユキがいつもみんなといられる場所で
見つけることができるのに
冷たい風が吹いたらもう
だめなんだって。
体を冷やすとどうなるか
しらないよ!
って笑っておどかすの。
そんなのユキだってしってる。
だから、もちろん
いい子で家に入ります。
だけど、いい子にしていても
でもちょっとだけ──
もうほんの少し
好きな場所でみんなが遊んでいるのを
見ていたいって──
そんな気持ちを聞いてほしいだけなの。
明日も風は強いみたい。
できればユキが悲しくならなくて
みんなに迷惑をかけなくていいくらいに
いいお天気であったらなって
祈るくらいなら──
いいと思いませんか?
明日のことをちょっと期待しながらベッドにもぐりたいです。