氷柱

『探索!』
ヒカル姉様の下着は
秋の気まぐれな風が悪さをしたのか、
小雨ちゃんがプランターを重ねた下へ。
青空のマグカップ
なぜか、青空のおもちゃ箱の中。
ユキの手鏡は──
学校で使う時もあるから
置いてきたかわり、
私が貸していた。
それを青空が勘違いしただけ!
というわけで
世は事もなし。
事件らしい事件というほどもなく
全ては解決したわ。
捜査に当たって
駆け回った内の一人としての
感想は、
ヒカル姉様も抜けているところはあるけれど
だらしないとかがさつだとかいうより
忙しくて
ばたばたしてしまうのが原因なのよね!
一緒に探していると
用事があって呼ばれて行っては
氷柱の遊びに付き合えなくてごめんねって。
もう──
私は真面目なの。
そんな言い訳も
させてもらえないくらい。
まったく。
ヒカル姉様も少しは
私たちを頼って
用事を押し付けてもいいのに
人がいいものだから!
無理をしないように言っておいたわ。
ところで──
そんなこんなで
下僕から少し目を離してしまった。
ご主人様が手綱を握っていないと
何をするかわからないのに
うかつだったわ──
それで、どうなの。
下僕は無理とかしてないの。
この時期に忙しくして風邪でも引かれたら
みんなが迷惑するんだから。
そう、だから──
何かあったら
人を頼る。
わかった?
ばたばたしすぎてまた何かなくしものが出来てしまったら
その時は、あなたにだけは容赦はしない。
聞き込みも現場検証も犯人確保に至るまで
ずっと首輪をつけて引きずるから
それが嫌なら
その前に──
相談する。
いいわね。
みんな──なんでも話してほしいんだから。
念のために聞くけど──
もうすでに
何かを置き忘れて探しているなんてことはないでしょうね!
正直に言いなさい!