夕凪

『お兄ちゃんへ』
これは夕凪から
お兄ちゃんへ届ける
お手紙です。
日記に挟んだ
メモ帳の切れ端──
他の人にはわからないお手紙
読んでくれているかな?
夕凪は毎日
お天気が続くと
外に遊びに行ったりするよね。
おまけに冬場は
家の中を暖かそうな場所をめぐって
秘密の隠れ家を探検しはじめることが
多いみたいなの!
どこに行ったか
なかなか見つからないことがあるんだって。
でも、お兄ちゃんが一緒に遊びたいときに
夕凪がいないと寂しいよね!
そこで近いうちに
お兄ちゃんと会いたいときの合図を
決めようと思います。
明日の土曜日がいいな!
夕凪がお兄ちゃんのお部屋へ
訪ねて行って──
家族中の誰よりいちばん
みんなの何倍も大きな音で
元気よくノックをするのが夕凪だよ。
これは夕凪が来たに違いないと思ったら
こっそり夕凪をお部屋に入れてください。
うちあわせをはじめよう!
さて、それでは夕凪は
お兄ちゃんに届けるお土産を探して
戸棚や冷蔵庫を開けて回るので
土曜日の会議を楽しみにしていてください!
夕凪も普段から落ち着きがないって言われるけど
そのときよりずっと会うのが楽しみで
落ち着きなく過ごしています。
どういう合図にするか
なーんにもアイデアはないけれど
会って話すだけで楽しいし
何か考えが浮かぶと思うよ。
じゃあ、また
そのときにね!
はい、手紙にぶっちゅー。
──ふやけただけだった。
まあいいか!
それじゃ、バイバイ!