綿雪

『私のおしらせ』
ああっ!
夕凪ちゃんがいない!
ついさっきまで
一緒に遊んでいたのに──
絵本もアニメも
ジェンガで遊ぶのも
お兄ちゃんやお姉ちゃんの肩をもむときも
明るい夕凪ちゃんがいてくれないと
さみしいよ!
と──
そんなときに。
はい、これ!
今日からリビングの入り口に
新しくかけられたもの。
小学生になったくらいの子なら
手が届くあたりの高さには──
冬の初雪が積もるみたいにときめくまっしろな
みんなにはじめての──
ホワイトボード。
実は、もともとキッチンには
足りないものを忘れないようにとか
レシピを書き留めておいたりで
とても活躍していたらしいの。
こんなに白いのに
できることがいっぱい、
役に立つ!
私たちの街に
今年の雪がちらつく頃──
ぴかぴか新品の
ニューフェイスがやってきた。
これに用事を書いて
夕凪ちゃんに遊んで欲しいときなどに
待っていると──
たまにおしらせが届いて
待ち人が──
みんなのところへ
はやあしで来てくれるの!
たのしいね。
お菓子作りのお手伝いで
このごろキッチンにいることが多かった
夕凪ちゃんのひらめきなんだって。
おしらせには
なるべくかわいい絵などを
添えておくと──
目に付くのだそうです。
そのへんのコツは
もともと白いホワイトボードを使っていた春風お姉ちゃんや
蛍お姉ちゃんが
ぱっと目を引く絵を知っている。
ハートに──
かんたんに線などで色をつけておくといいのだそう。
ちょっと不器用なくらいが
なんだろうと思って注目しがちなのだそう。
人に見てもらうものなので
なるべく丁寧に心がけるときがあってもいいよ、くらいの
気楽さがあれば
ちょうどいい!
──というお話。
すこしのあいだ
みんなですごすリビングの入り口には
大きいハートと小さいハートと
思いつきとれんしゅうと──
見てほしいおしらせがそっと顔を出すの。
お兄ちゃんも、会いたい人に
ハートマークを添えてあげてね。
すぐに会えるというわけです!