観月

『ねむれよいこよ』
今日もよく遊んだ
かわいい子たちに。
仲良く遊んだえらい子たちに。
まだまだいつまでも
自然にまぶたが閉じてしまうまで
兄じゃといるとねだる子たちに。
誰でもみんな
一休みの時間が必要だと
告げる時間じゃ。
ずっとずっと
夜通し遊び更けるには
子供は体がもたないし
もしも冬の空にひときわ光って
またたく星が誘うように
疲れを忘れてはしゃいでいられるとしても
あたりがしらじら明るく変わり
まぶしそうに目をぱちぱちさせているのだと──
早起きの子たちは
夜更かしの姉じゃを見つけて知っているのだから
きっと切りのいいところが休む頃合い。
なにしろ早く寝床に入れば
明日の朝には一番に起きて
兄じゃを迎えにお部屋のドアをたたくこともできるし
おまけにお休みの日は
一日中遊んでいられるのだから
夜が更けてお布団へ入っていくのがかしこい子供。
土曜も日曜も
とびはねて遊んで
それでも足りないと
欲張りな子でも
やがてはかすかな寝息を聞かせて
ひとりまたひとり。
それはかえって
もったいないというもの。
わらわが手を引いて
暖かなお部屋へ誘うのは
いじわるでもいたずらでもなんでもないのに
子供たちは丸い目をくりくりさせて
責めるのじゃ。
困ったものだな。
そういうわけだから
子供たちの元気は明日からのお休みが本番。
兄じゃもよく休んでおかなければ
わらわがやさしい寝床へ
無理にも連れて行ってしまうぞ。