さくら

『おうたのじかん』
きこえてくるよ──
うれしいね!
ようちえんからのかえり道、
まがりかどの先の
おうちのほうから
きのうよりも大きなこえが
してきたら──
お兄ちゃんがかえってきているかもしれないの!
だってとってもにぎやかで
とっても楽しそうで
とってもとっても
大さわぎなんだもの。
あのこえは
みんなみんなが
うれしすぎて
歌っているんだって
もう、さくらにはわかってくるんだもの。
ごようじで
おうちのちかくにいたのかも?
おてつだいで
はやくかえったのかも?
それとも、さくらと
いっぱいあそびたくて
いそいで走ってかえってきたのかな?
そんなきもちに
さくらもなることがあるよ。
お兄ちゃんとあそびたいな、
いつもよりも
いろんなことをしてあそびたいな。
おいかけっこもするし
おままごとも、
せんたくものをたたむのも
おふろをあらうのも
お兄ちゃんとするのがいいの。
だってさくらは
お兄ちゃんがだいすき!
ときどき──
はやくかえってきてくれることがあるから。
だから、だからね
こえがするとき
さくらもかけあしで
かえってくるから
お兄ちゃんがはやくかえる日は
いちばんおおきなこえでうたって
さくらをまっていてね。
ものすごいはやあしのさくらが
とびこんできて──
おどろくよ!