『もの思う季節』
曇り空だとか
たまにぽつぽつ降る雨に
負けたくなくて──
一番最後に家に戻って
少し冷えた体を
お風呂に飛び込んであたためるまで
遊んできて、
秋の日を楽しみつくしたら
満足しながら一日はおしまい。
そのはずなのに──
みんなにやさしい秋の夜長が
今夜は私にだけ悪さをして
なかなか寝かせない。
布団に入って
目を閉じても、
いつもならすぐにでも
眠りに落ちるはずなのに──
やっぱり季節の変わり目で
急に気温が変化するのが
影響しているのか──
自分が思っている以上に
体はびっくりしているのか。
それとも
これから冬に向かう寒さを感じて
今まで通りにはいられないって──
ときどき思う心細さが
寝つきを悪くしているのかもしれない。
この先の季節も
一緒に過ごす家族がいてくれるって
ちゃんと知っているのに
まだ体にもわかってもらえるほど
みんなといる時間が足りない──
全然甘え足りないとか
そういうこともあるのかもしれない。
人はずっと一人では
いられないからな──
でも、もしかしたら単純に
体力がまだどこかに残っていて
いつも元気なヒカルは
この程度では遊び足りないという可能性もある。
どれが本当か
私が考えたくらいでは、秋の夜がどれだけ優しくても
ちっとも答えは出ないけど──
そうなったら、とりあえず試してみるしか
できることはないからな──
いつでもそう。
季節が変わっていっても
結局、私の中身は
そんなに変わらないというわけだ──
じゃあ仕方ない。
それならそうで
明日が楽しみになって来たな。
くすくす。
むにゃむにゃ──