氷柱

『雨の日もある』
今日のお天気は雨。
地球に太陽の日が差し、
空気の対流がある以上は
雨は降る。
ましてやお天気の不安定な春のこと。
お外に遊びに行けなくても
仕方がない──
そう言っても、説得できるとは限らないけど。
少なくとも家の中での遊びに付き合わされる未来は
変わらないけど。
まあ、肌寒いとはいえ
すぐくっついて暖を取る子と
おしくらまんじゅうがはじまるなんて
もう最近はあまりないのは
まだいいわ。
多少は距離を取って付き合う時間も家族には大事だもの。
おままごとをして
お絵描きをして、
お昼寝をしたら
あとは、明日は晴れるといいねって話をして
それで満足してくれるから
この時期の子守りも簡単なものだわ。
天気予報で曇りや小雨のマークがあっても
見なかったことにすればいいだけの話だから。
それに雨の日だって
家の中でできることはたくさんあるものね。
学校の予習に復習、
掃除や洗い物のお手伝い、
たたんでいない洗濯物まであるし──
進級のお祝いに遊んであげたりおいしいものを作ってあげたりで
雨の日もたまにはないとね。
春風姉様も、家にいる時間を利用して
ほら──
たくさんの野菜をむき始めた。
手間のかかるお料理をするなら
こうして雨の日をみんなで過ごして、
こんな日にしかできないことを
たくさん見つけていかなくっちゃ──
それにしても
春風姉様の用意した野菜は量が多いわね。
いくら雨の日に頼るといっても
あれは本当に──大丈夫なの?
春風姉様!
ちょうど今──私は手が空いているような気がしてきたわ。
子供と遊んであげて休憩していただけだし──
他にも暇で困っていた子をよく見かけたもの、
あの子たちも、きっとやることができて感謝するに違いない。
人手を集めるなら任せて。
手先が不器用であんまり使えない氷柱だとしても──
でも、雨の日だからね!
それで──何人くらい連れてくればいいの?