真璃

『おでかけ』
いいお天気の日が
もしもあったりしたら──
それだけで、マリーの人生はすばらしい。
おまけに、今日はみんなでお出かけ。
元気な子供も
おすましのお姉ちゃまたちも──
胸が弾むような物語や
知らないことがいっぱいの、わくわくするご本を求めて
誰もがうれしくなる
図書館へ出発よ!
引率は氷柱お姉ちゃま。
ここ最近は──
明るい春らしい服が
おうちで大はやりなので、
あまり趣味ではない氷柱お姉ちゃまはすぐ逃げてしまう。
でも、マリー知ってるの。
氷柱お姉ちゃまだって
本当はみんなと遊びたいっていうこと──
子供たちにとって、お姉ちゃまに逃げられるだけの春にしたくなくて
家族たちに春休みを楽しく過ごしてほしくて──
あのきらきらした目が何よりも確かに、
おでかけがうれしいって大声で言ってるわ!
服のはやりからみんなの目をそらすための作戦だなんて
素直じゃないこと言っちゃって。
図書館に来てみたら
子供たちがお気に入りの本を見つけられるかどうか、
たまにおすすめの本を紹介したりして
とっても生き生きしている氷柱お姉ちゃま。
大人のお姉ちゃまって
いつもかわいいわね。
こんなにも、みんなに喜んでもらうことしか頭にないなんて。
マリーが借りたご本は
何冊もある──
続きもののお話。
春休みを利用して読破したら
とっても大きな世界が開けていきそうで──
きっといい気分になれるわ。
それに、また続きを借りに
氷柱お姉ちゃまと手をつないで
図書館まで遊びに来れるでしょう?
人が多くて
みんなが浮かれている時期だから
手を離しちゃだめよなんて
氷柱お姉ちゃまが言うけれど──
桜の花を一緒に見上げるあの瞳は、
いったい誰が一番浮かれているのかわからないわね。