『秋の空』
今日も、空は高く
千切れて広がるうろこ雲。
汗ばむような日差しの中に
どこからか涼しく
吹く風があって──
いい天気の日は
ちびっこたちが庭へと向かうので
私は見ていないといけないの。
みんな、いつもは私のことを
ちびっこだって言うくせに
こういう時は都合がいいのね。
ルールもよくわからずに走り続ける
サッカーに誘われても
そんなにいつも軽快な服装をしているとは
限らないし、
おいかけっこもかくれんぼも
ほこりが立ってあんまり好きじゃない。
子供にこっちから細かい注文を付けるのも
何か違う気がするけれど、
まあ、できれば
棒を立ててのお絵描きや
キャッチボールにバトミントン、
これならどうにか
一緒に遊べるかな──
私も特別に運動が得意なほうではない。
でも相手はちびっこだから
山なりで投げ込む
ボールやシャトル
こう見えても──
子供が喜ぶように
適当に花を持たせるのは
できないわけでもないのよ。
それに、大はしゃぎをさせておけば
すっかり疲れて
家に帰るのも早くなるし、
子守の時間もそんなに長引かなくて済むというもの。
いくつも打ち上げる
スマッシュにお手頃の
お手本のような軌道──
今日は冷たい風で震える前に全員が家に戻ったわ。
空の色はまだ済んだ青。
雨の心配もない白いきれいな雲──
夕暮れ間近にどこで遊ぼうか
少しだけ幅広い選択の余地があるのが
年上の子が
一仕事を終えた後の──
悩みといったところ。
海晴姉さまによると、明日も天気は晴れのち曇り。
また騒々しい声が
どこまでも届きそうな
お庭の眺めになる気がするわ。