氷柱

『気まぐれ』
どんなに日が照って
暖かい陽気だったって──
突然に
風は吹く!
雨も降る!
厚く灰色の雲も流れて
春のさわやかな日差しを奪う──
油断すると、すぐ落ち着かない天気がやって来て
ぶるぶる震えるこの季節。
凍えないように気を付けて
家族のみんなのことも見ていてあげなければ、
すぐ、抱っこをねだってきたり
向こうから抱き着いてきたりする。
季節の変わり目は
いつだって──
私には慣れないことがいっぱいあるの。
でも、だからといって
なるべく無理をしないで
落ち着いてすごそうだなんて
年度も変わり新生活へとはばたく
今の時期、なかなか難しいことじゃない?
下僕もわかってくれるわよね。
学生たるもの、
一年の勉強のおさらいをして
苦手な分野を重点的に鍛えておく。
来年に向けた予習も
春休みのうちにしておくもの──
このごろは運動不足になりやすいから
時間があれば庭に出てなわとびもしてみたいし、
もちろんタンスの冬服の入れ替えや
すっきり部屋の掃除だってしなくっちゃ。
行楽のシーズンだから
遠出できなくたって、お弁当をもって庭を歩いたり
新しいことに挑戦したい
こんな陽気の日々は──
春風姉様たちから向けられるプレッシャーのせいで
お弁当作りをはじめる必要だってあるかもしれない──
お天気くらい
気にしていられないほど
やることがいっぱいだっていうのに!
今日はまた夕方から寒くなれば震えながら丸くなって家の中。
空は私の予定に合わせたりなんてしないもの。
ああ──暖かい日に日向でのんびりした分は取り戻せなかったわ。
私が忙しくしてもそうでなくても
平気で季節は巡る──
せめて学生らしく日々を有意義に過ごしたい
健気な願いは明日には叶うのかしらね。