吹雪

『ヒストリー』
人に歴史があり、
数学の公式にも
発見と実用の長い物語があって、
海晴姉が大事に使っている手帳にも
高校時代からの歴史があると
言うならば──
私が手にしている一冊の本にも
この場所に至るまでの道のりと
蓄積したエピソードの数々があっていいのではないだろうか?
著者の思考と
出版の過程、
地下の図書室でほこりをかぶって
眠っていた年月。
本に文字となって
記された内容は──
子供の遊びの多様性と
その紹介であり
確かに一つの歴史である他には、
奥付に記され
今日までの日々をうかがうヒントとなる
わずかな情報だけ。
この面白い本を運んだ
思いの多くを知る方法が
私に見つけられるのならば──
内容の深みをさらに
知ることができるかもしれないのに。
たくさんの遊びを
著者はどれだけ遊んだのか、
それは子供時代のことか
少し大きくなってから妹たちと──といったことがあったのか。
どれくらい
楽しんだのか?
はしゃいで時間を忘れるくらい?
あるいは──もっと?
この本を私に届けるまで
手に取った人々も
昔遊んだ日々を見つけたのか。
我が家の図書室に
落ち着いて──
やはりママや姉のみんなを
支えた本であったのでしょうか?
夕食の時にでも聞いてみたいと思っています。
そういえば料理の本もいくつかありました。
休日が続けば──
これらの本の見えない場所に積み重ねられたものに
思いを巡らせることもあるでしょう。